「逆指値注文」は使うタイミングやメリットを知るとFXトレードのときにかなり有利に動けるようになるよ!
逆指値注文とは?
買いの場合は現在のレートよりも高いレートで買い注文を入れて、売りの場合は現在のレートよりも安いレートで売り注文を入れることをいいます。
基本的に、指値注文と同様にある価格になったら買う、または売るというように取引したい値段を指図する注文方法です。
指値注文とは、買い指値注文の場合は現在値よりも安い価格で発注して、売り指値注文の場合は現在値よりも高い価格で発注します。現在の為替レートより下での買い注文、または現在の為替レートより上での売り注文です。
ですが、逆指値注文は指値注文と逆の注文方法となり、現在のレートより価格が上がったら買い、価格下がったら売るというやり方です。買い逆指値注文なら現在値よりも高い価格で発注して、売り逆指値注文なら現在値よりも安い価格で発注しなければなりません。
例えば、現在のレートが100円だったとして、今後は上昇すると予想して「買い」ポジションを保有したとします。
しかし、予想に反して下がってしまった時、損失を1円までに抑えたいと思った場合に99円で売り注文を出すというように「損切り」として利用するやり方もあります。
指値注文と逆指値注文の違いは以下の通りです。
現在のレートより高い | 現在のレートより安い | |
買い注文 | 逆指値 | 指値 |
売り注文 | 指値 | 逆指値 |
指値注文は、為替レートを見て今よりも良い値段で売買をしたいタイミングに使います。
一方で、逆指値注文は指値注文の逆になるので、今より悪い値段で売買したいタイミングに使います。
今よりも不利な為替レートで売買するので、不利なレートで指値を入れて何の得があるの?と思うかもしれませんが、損失を確実に止められる効果があります。損失を止める注文なので、「ストップ注文」または「ストップ・オーダー」と呼ばれるほどです。
そして、相場のトレンドに上手く乗りやすくなるので一定の利益を確保することができます。
為替相場は一定期間続くと想定されるので、上昇トレンドが来たときは今のレートより高くなったら買い注文、下降トレンドが来たときは今のレートよりも低くなったら売り注文を出します。
例えば現在の相場が1ドル110円だったとして、為替相場が1ドル111円まで上昇した場合、円安の上昇トレンドと判断して、1ドル111円になったらドル買いの注文を出します。
為替相場が1ドル109円まで下降したら、ドル安の下降トレンドと判断して、1ドル109円になったらドル売りの注文を出します。
このように、逆指値注文は上昇トレンドと下降トレンドの流れに自動的に合わせるように注文できるのでとても便利です。
指値注文と何が違うの?
おさらいになりますが指値注文は、ある価格になったら買いたい、または売りたいといった取引したい値段を指図する注文方法です。
今よりも高いレートで売りたい、または、今よりも低いレートで買いたい場合に自分の都合で取引できる注文方法です。指値注文を設定しておけば、その価格になったら自動的に取引をしてくれるので便利です。
指値注文はどんなタイミングで使うのかというと、現在の価格よりも安い値段になったら買いたい、または現在の価格よりも高い値段になったら売りたいという時に使います。
しかし注意点として、買い指値注文の場合は、現在値よりも安い価格で発注して、売り指値注文の場合は、現在値よりも高い価格で発注しなければなりません。
買いから入る場合は、1ドル99円の指値で買い注文をしても予想通りに為替が変動しないと円高が進行せずに取引が成立しません。
指値のレートで、為替レートのギャップが多いほど注文が成立する確率が低くなるので注意が必要です。なるべく、その時の為替レートに近い水準で指し値注文をすることで取引が成立しやすくなります。
逆指値は特にスキャルピングで有効
わずかな値幅を狙って繰り返しトレードを行う「スキャルピング」という取引方法があります。スキャルピングの場合、トレード回数が毎月1,000回を超えることがありますが、損切りを躊躇してしまうと大損するリスクが高いです。
損切りを使うか迷っているときに、自動的に損切りしてくれる機能が「逆指値注文」です。逆指値注文を入れておけば、含み損が何pipsになったら自動的に損切りしてくれるので、大損のリスクを避けられます。
例えば、逆指値の設定を15pipsにしておくと、損切りをしなかったために含み損が増えても15pipsになったら自動的に注文されます。
つまり、逆指値注文をしておけば、含み損が増えることがないので、最大損失は15pipsのままです。
逆指値注文は保険のような使われ方をしており、コツコツ頑張って利益を出したのに、大きな損失を出して、一瞬にしてトータル収支がマイナスに転じるリスクをなくせます。
そうはいっても、日常的に損切り設定を使うことは適切な使い方ではありません。もし、自動損切りを5pipsに設定した場合、損切り幅が5pipsと固定されてしまうので、スキルも上がらず意味がなくなりやすいです。
逆指値は万が一の保険と捉えて、大きめの15pipsから20pipsを目安に損切り設定することをおすすめします。
取引にとても便利だから、ちゃんと知っておきましょう!
逆指値注文の使い方その1・順張りに使う
相場での取引の考え方として「順張り」と「逆張り」と呼ばれるものがあります。
順張りとは相場のトレンドに乗った取引を行う方法、逆張りは反対にトレンドに逆らった取引を行う方法です。
逆指値注文は、高値更新時などブレイクアウトの順張りに使われるのが特徴です。
順張りってなに?
順張りとは、一定期間に一定方向へと動くトレンドに乗って収益を上げていく方法です。簡潔にいうと、相場が上昇しているときに買いで取引を行い、相場が下がっているときに売りで取引をすることです。
トレンドと同じ方向に買いもしくは売りで取引を行うことにより、短期間で利益を得られるチャンスができます。
プロの投資家も順張りをよく利用していて、FX初心者でも役立つ方法です。
多くの人は、円を売って外貨を購入する取引をするため、円高が進行すればするほど順張りでの取引を忘れてしまう傾向にあります。
トレンド方向と反対方向へと取引をすると「逆張り」になり、「順張り」と逆の意味で使われます。
どんなところがいいの?
順張りの最大のメリットは、トレンド方向に合わせた取引ができることです。
相場が上昇しているときに買いから始めれば、上昇トレンドが終わらない限り、買値よりも高い価格で売ることができる確率が高くなります。
反対に、相場が下落している時に売り始めれば、下落トレンドが終わらない限り、売値よりも安い価格で買い戻すことができる確率が高くなります。
順張りは上昇トレンド中であれば買いから始めますが、実際にどこまで継続するのかはわかりません。
買いの後にいきなり下落に反転してしまうと、高値で売り持ちの状況になる可能性があるので注意が必要です。
逆指値注文の使い方その2・損切りに使う
投資が上手な人は損切りの使い方に優れています。
一定の相場の予想を元にポジションを持っていても、その後は予想通りになるとは限りません。
逆指値注文を損切りに利用すれば、思わぬ損失を防ぐことができます。
逆指値注文は、ある価格以上になったら買い、ある価格以下になったら売るという「買い」と「売り」のそれぞれの場合があると説明しました。
損切りの基準については、値幅で決めるのか、金額で決めるかで決定します。
例えば1ドル100円で買ったとき、本来は105円で売るタイミングを狙っていても、わざと99円で売るという逆の値を指定して注文をしておきます。
もし、為替相場が予想に反して95円まで下がっても、この逆指値注文のおかげで、95円まで下がる前に99円のときで損失を限定することが可能です。
損失を必要以上に大きくしないで済むことで、次のチャンスに繋げられます。
なぜ損切りに注文?
逆指値注文を利用すると、予想と逆にレートが動いても損失を想定の範囲内で抑えることができるのがメリットです。
特に大きなレバレッジを使っている場合は、ほんの少し変動しただけでも大きな損失になることがあります。
損失を最小限で抑えられるように、必ず逆指値注文を入れておくことをおすすめします。
どんなところがいいの?
FXのスキルを上げるには長期的にすぐれた運用パフォーマンスをしなければならず、保険のように損切りをすることも大切です。
ですが、逆指値注文は損失を限定するだけではありません。
逆指値注文が約定しなくてもある程度の含み益が発生したら、損失を限定するための注文設定を引き上げることで、利益を増やすメリットもあります。
例えば、100円のポジションが105円まで上昇した場合、損失を限定させるための逆指値の設定を103円にしておけば、レートが下がったとしても3円分の利益を得ることができます。
その後、さらに相場が上昇して110円までなった場合は、103円まで引き上げていた逆指値をさらに108円まで引き上げれば、8円分の利益を得ることができるのです。
価格が上昇したら何度も逆指値の設定を引き上げして逆指値が約定するまで続けていけば、トレンドが続いている間は利益を増やしていけます。
損切りの注文目安は?
FXは元本が保証されていないため、自己の判断で投資して徹底したリスク管理が大切です。
事前に99.50円を下抜けたら損切りすると決めておくと、通常は1ドル99.495円、または1ドル99.490円で約定されます。
しかし、多くのポジションを保有している場合は通常よりも悪いレートの1ドル99.48円または1ドル99.45円に約定することがあります。
そのため、チャートポイントから少し離した外側あたりの損切り注文を狙うと良いです。
1回の取引での損切り幅は、基本的に100pips(1円)以内に抑えると良いです。
今度は逆指値注文に関する細かい注文方法を知って取引に活かそう!
もっと細かく注文したい!そんな時には?
ほかにもIFD注文、OCO注文、IFO注文の選択肢があるので、それぞれみていきましょう。
IFD注文
IFD注文(イフダン)とは、一度に2つの注文を出して、最初の注文が約定したら2つめの注文が自動的に発動される注文方法です。
例えば、1ドル115円でドルを買うという注文を出した場合、同時に1ドル120円になったらドルを売るという注文も出しておきます。
予想通りの相場になったら「利益確定」、知らぬ間に相場が急激に動いて大きな損失になるのを防ぐ「損切り」にも有効な手段です。
OCO注文
OCO(オーシーオー)注文とは、一度に2つの注文を出して、どちらかの注文が約定したら、もう1つの注文が取り消しになる注文方法です。
為替レートが今よりも高くなるときと安くなるときの使い分けができる取引で、利益確定の決済注文と、損切りの決済注文を同時に出すことも可能です。
例えば、現在の相場が1ドル113円だとして、上昇トレンドに乗ったと予想して1ドル115円になったら買いの逆指値を注文したとします。
一定の利益を確保するため、1ドル117円になったら売り、もう一つは損失を限定するために1ドル114円になったら売ることができます。
予想どおり1ドル117円になったら、2円の利益が確定して、予想とは逆に1ドル114円に振れたら1円の損失が確定されます。
IFO注文
IFO(アイエフオー)注文とは、IFD注文とOCO注文を組み合わせた注文方法です。
新規注文を発注して、OCO注文の形式「利益確定のための決済注文」と「損失限定のための決済注文」をすべて同時に自動注文できる方法です。
決済においてすべて最初から最後まですべて自動で行うことができるので手間がかかりません。
利益確定と損切りの両方に対応できるので、普段は忙しくてレートをチェックする時間がない方に向いています。
注文方法について詳しく知りたい方は、以下のページをご覧ください。
https://www.projectcairo.org/fx-tyumonhouhou
まとめ
見出し
- 指値注文とは逆の意味
- 逆指値注文は順張りと損切りに使う
- 指値注文と逆指値注文が同時に行える注文方法もある
今回は、指値注文と逆指値注文の違い、基本的な使い方について解説しました。
逆指値注文はFXにおいてリスクを避けるために必要不可欠な注文方法です。
ぜひ、逆指値注文をマスターして安定した取引を目指しましょう!