けど、上手くいかないしポジションをもっていると頭の中が空っぽになっちゃうよ~
FXのOCO注文ってなに?
OCO(オーシーオー:One Cancel Other)注文はFX注文の応用編です。
OCO注文は、今後の相場の動きを想定して、同時に2つの注文を出しておき、どちらかが成立したら、もう一方をキャンセルするという非常に便利な注文方法です。
つまり、相場がこれからどう動くか分からないから、上がったら買い、下がったら売り注文できるよう2パターンの注文を出しておこう、というものです。
OCO注文は決済にも使えるので、現在のポジションに対して、利益確定の指値と損切りの逆指値の2つの決済パターンを同時に発注することもできます。
新規注文の仕組み
例えば現在の相場が1ドル=100円だとします。上昇トレンドに乗ったと予想して、1ドル=102円になったら買い(逆指値)という注文を発注します。
一定の利益を確保するため、1ドル=104円になったら売り(指値)、もう一方は損失を限定するため、1ドル=101円になったら売り(逆指値=ストップ)という条件がOCOでは可能です。
このケースでは、予想どおり1ドル=104円(ドル高)になったら2円の利益が確定し、予想とは逆に1ドル=101円(ドル安)に振れたら1円の損失を確定ということになります。
決済注文の仕組み
例えば、1ドル=100円で買ったドルが、現在の相場では1ドル=105円まで上昇しているとします。
今、決済すれば、5円の利益が確定します。しかし、人は欲張りなもので、もう少し、もう少しとつい期待を膨らましてしまいますね。
こうしたケースでは、例えば1ドル=110円まで上昇(ドル高)を期待するのであれば利益確定のための「1ドル=110円での指値の売り注文」と「1ドル=104円での逆指値の売り注文(ストップ)」を同時に出します。
このケースでの逆指値の売り注文(ストップ)は、損失を限定する目的ではなく、含み益をできるだけ減らさないようにする為の「利益確定」の注文になります。
予想どおり1ドル=110円になったら10円の利益が確定します。もし、1ドル=105円から急激な変動で一気にドル安となった場合でも、自動的に1ドル=104円で決済されるので、4円の利益が確定し、相場急反転のリスクを最小限ですり抜けられました。
どちらに転んでも、利益は確保されるということです。
OCO注文を使うときのポイント
おさらいですが、OCO注文は同時に2つの注文を出し、一方が約定したらもう一方が自動的にキャンセルされるという注文方法です。
逆指値を指定できるため、決済ポイントと損切りポイントを同時に指定することができます。
あとでも解説しますがOCO注文の最大のメリットは、自分の感情に左右されず、ルールにしたがってトレードすることができるところです。
エントリーした時点であらかじめ利益確定をする価格と、損切りをする価格を設定することで、「もっと価格が上がるかもしれない」、「今は下がったけど、ここから戻しがあるかもしれない」といった、自分自身の願望を排除したトレードができます。
そのため感情に左右されやすく、あらかじめ決めていたポイントで利益確定、損切りができない場合にはこのOCO注文は特に役立つ方法といえます。
逆に、この機械的にトレードできる方法がデメリットでもあります。相場に勢いがつき、自分が設定した利益確定ポイントよりも伸びたとしても設定した価格で利益確定されてしまいます。つまり、取れるはずだった利益を取り損ねることになります。
確かに最初にOCO注文をすれば、どちらか一方が約定するまでほったらかしにしておける安心感があります。
ですが定期的にチャートを確認し、相場の勢いがまだ伸びると判断したならば、その都度利益確定のポイントを調整することで、利益をなるべく大きく取れるようにしていくと良いでしょう。
【FX】OCO注文のメリット
機械的に利益、損失の自分ルールを決めやすい
FXに必要な要素としてよく言われているのが3Mです。3Mとはマインド(Mind)、マネジメント(Management)、メソッド(Method)です。
そのうちのマインド(Mind)を補うことができます。専業トレーダー以外でFXをしている人は学業や仕事、家事をしながらになります。
その裏で、ポジションを保持していると、そちらを気にしてしまい、どちらもうまくいかないことが多くなりがちです。
ですが、OCO注文を使えば、自動的に取引をしてくれるので、気にする必要はありません。自分のルールを設定し、それに従っていれば良いのです。
初心者に多い「忘れ」の防止になる
先ほど紹介した、マインド(Mind)の話になるのですが、FXを長くやっている人は大体の時間やルールがしっかりしているので、ポジションを保持し、決済するまで安定した気持ちでいられます。
一方、初心者だと、気にしすぎるか、取引自体を忘れてしまうなんてことがあります。正直なところ、忘れるくらいのマインドが良いのですが、初心者は忘れると忘れっぱなしになってしまいます。
そんなときにOCO注文は大活躍します。取引時に決済を予想し決めてしまうので、決済の忘れは起こりません。 FX初心者にはぜひ使いこなして欲しい取引方法です。
OCO注文のメリット
- 機械的に利益、損失の自分を決めやすく、自動的に取引してくれる
- 決済のし忘れをなくせる
【FX】OCO注文のデメリット
トレードルールを守らず損切りの設定レートを遠くに動かすのは危険
OCO注文を出しても成立する前であればキャンセルをして再度別のレートで注文を出すこともできます。
また、OCO注文の指値、逆指値注文も、自分自身でレートを設定できます。
そのため、状況によっては「いつもはこのルールに従っていたけど、今回はもっと大きく動いたレートにしよう」、「損切りはしたくないからいつもの2倍くらい遠いレートに設定しよう」など、自分に都合の良いように設定しがちです。
そのときの感情によって設定レートも変わってしまい、これでは安定した結果が望めなくなります。
常に自分のトレードルールを破らずに取引を行うことが大事です。
値動きが激しいときにチャンスを逃しやすい
大きな経済的イベントがあると為替市場は大きく値動きします。そんなときOCO注文は役に立ちません。
経済指標発表時はある程度値動きが予想できます。しかし、OCO注文に頼りすぎていると、そのようなイベントを利用することは考えません。
むしろそのような場合、普段の予想とは関係なく値が動くので損することが多いです。
OCO注文に限らず、自動売買ツールも同じデメリットを抱えます。自動や機械的と聞くと良い面ばかり目に入りますが、大損する可能性もありますので気をつけましょう。
OCO注文のデメリット
- 自分自身でレートを決められるので、感情に任せて設定すると危険
- 値動きが大きい場合には大損する可能性あり
その他の便利なFX注文方法
IFD注文
IFD注文はif done(イフダン)注文と呼ばれ、新規の注文と決済の注文を同時に発注することが可能な非常に便利な注文方法です。
指値注文では指定したレートになったとき、自動的に売買をしてくれますが、それはあくまで注文を出すだけで、決済は自分でしなくてはなりません。しかし、IFD注文ではそれが可能です。
この先100円になったら新しく買って、そのまま105円になったら決済したいな、というケースのときにIFD注文は有効で新規注文と決済がワンセットになっているのが最大の特徴です。
新規発注と決済の注文もできるので、普段は仕事で忙しい方にはこのIFD注文は特におすすめです。
レートを常に確認する必要なく、1度の発注で取引を完結することができるので、副業トレーダーには重宝されます。
またIFD注文は発注をいくつか組み合わせることもできるので、さらに便利な使い方をすることも可能です。
IFDOCO注文
「IFDOCO(IFO)注文」はその名の通り、IFDとOCOを同時に行う注文方法です。ポジションのない状態から、指値注文を出し、さらにそこから指値注文と逆指値注文を出すというものです。
例えば、「1ドル=100円」の状態で「『1ドル=99円』になったらドルを買う」という注文を出し、さらに「『1ドル=102円』になったらドルを売る」という指値注文と「『1ドル=98円』になったらドルを売る」という逆指値注文を同時に発注するといった感じです。
この場合、「まず円高に動いて、その後円安に動く」と予測しています。仮にその予測が当たらなかった場合、そもそも最初から円安に動けば全く取引は成立しませんし、最初の取引が成立してポジションを持った場合、利益は3円分、損失は1円分になります。
FXの基本 4つの注文方法を解説
成行注文
成行注文とは、取引価格を指定しないで、為替相場の現在値(今の価格)で売買する注文のことです。
為替相場はリアルタイムで常に変動しています。その変化している為替レートを取引画面を見ながら、表示されている現在値で売買するのです。
成行注文は今すぐにポジションを持ちたいというときに使います。ですから注意すべき点は飛びつきです。
チャートを見ていると急に下がっているとき、急に上がっているときがありますよね?そんなときに、なんの根拠もなく飛びついてしまうと損をする可能性が高くなります。
必ずテクニカルやファンダメンタルズを加味してポジションを持つようにしましょう。
指値注文
指値注文とは「ある価格になったら買いたい、または売りたい」といった取引を指図する注文方法です。別名リミットといいます。
例えば現在値が「1ドル=100円」の場合に「今後『1ドル=95円』まで価格が下がったら買いたい」という注文や「『1ドル=105円』まで上昇したら売りたい」といった注文が指値注文になります。
この指値注文を設定しておけば、その価格になった時に自動的に取引をしてくれるので、寝ていても仕事中でも利用できて便利です。
注意点は買い指値注文の場合、現在値よりも安い価格で発注、売り指値注文の場合は、現在値よりも高い価格で発注しなければならないところです。
成行注文との使い分けがとても重要になってきます。
逆指値注文
逆指値注文とは指値注文と同様に「ある価格になったら買いたい、または売りたい」といった取引を指図する注文方法です。別名ストップといいます。
指値注文との違いは買い逆指値注文の場合は現在値よりも高い価格で発注、売り逆指値注文の場合は現在値よりも安い価格で発注しなければならない点です。
例えば現在値が「1ドル=100円」の場合に、「今後『1ドル=105円』まで上がったら買いたい」という注文や「『1ドル=95円』まで価格が下落したら売りたい」といった注文が逆指値注文になります。
指値注文は新規発注や利益確定に使うのですが、逆指値注文はストップの名の通り、損切りに使うことが多いです。使い勝手が良いので利用してみてください。
トレール注文
トレール注文とは、相場の値動きに合わせて逆指値注文を有利な方向へ動かしていく方法です。できるだけ利益を伸ばしたいときに使われます。
「トレール」とは英語で「追いかける」という意味があります。文字通りトレンドを追いかけるように注文をリアルタイムで変化させます。
注文したレートに引っかからない限り利益が増えていくので、損小利大のFXトレードになりやすいです。
この取引方法はFX中級者の間でよく使われていて、ランダムトレードでも利益を出せる方法として有名です。
しかし、ランダムといってもある程度の根拠を持った上で取引をするので完全なるランダムではありません。どのFX取引にも根拠を持たなければならないということを忘れないようにしましょう。
FX OCO注文のまとめ
OCO注文のまとめ
- OCO注文は一方が成立したらもう一方がキャンセルされる
- 自分のルールを機械的に決めやすく、忘れ防止にもなる
- 値動きが激しいときにはあまり意味がない
今回はOCO注文を中心に様々な取引方法を紹介しました。
これらの取引方法はFX会社によって利用できるものと利用できないものがあるので注意してください。
まずはいろいろ試してみて、自分にあった取引方法を選択するのが良いです。