FXを始めるとテクニカル分析を避けて通ることはできません。そのテクニカル分析の中でもいろいろな要素を一つの分析手法の中に盛り込んだ一目均衡表。一目均衡表を理解すれば何かが見えてくる!テクニカル分析を極めるにはまずは一目均衡表を理解してみましょう。一目均衡表についてウェブで説明できる一番長い長さです!ついてきてください。
一目均衡表は、「線が多くてなんかめんどくさい」とぱっと見だけでついつい敬遠されてしまいがちなテクニカル手法です。同時に初心者でも一度は聞いたことがある有名な分析法です。このページを今見ているのも、一目均衡表って何?と思ったからですよね。
5本の線は実はよく似た線なので、それぞれの線を見ていけば以外に簡単かもしれません。
一目均衡表がわかれば、FX初心者卒業!?
【一目均衡表】まずは5つの線を覚えよ!
1. 色と動きで見分けるそれぞれの線
チャートの一目均衡表の設定を開くと、各線の期間と線の色が設定できるようになっています。使っているチャートによっては5本の線の表示・非表示を選べるようになっていたりもします。まずは、自分で色のカスタマイズをしてみると、各線に親近感がわいてくるかもしれません。
最初はなんでも形から。右も左もわからないので、まずは自分の好きな色で、どのチャートを使っても同じ設定にしてしまえば、線の識別が簡単になります。
2. 転換線と基準線 価格と同じような動きをする線
この2つの線は価格に沿って絡むように動く線です。より価格に近い線が転換線(黄緑)、転換線の外側で価格と動いているのが基準線(緑)です。ここでは、チャート上に基準線、転換線のみを表示しています。
3. 遅行スパン 仲間外れの出遅れ線
遅行スパンは、一つだけ後ろに出遅れている線です。(下図:黄色)5つの線の中では、1つだけ仲間はずれなんです。
4. 先行スパン1 先行スパン2 雲を作る2本の線
一目均衡表の雲というのをよく耳にしませんか? その雲を作っているのがこの先行スパン1と2です。これまたどっちが1で2なのか? よく見ると、先行スパン1と2が上下入れ替わりながら雲を作っています。ひたすら横に這っている線が先行スパン2(上図:ピンク)、その先行スパン2と比べて上下の動きが大きいのが先行スパン1(上図:紫)です。
【一目均衡表】5本の線を覚えよ! まとめ
転換線 価格に絡まる線
基準線 転換線の外側を価格とともに上下する線
遅行スパン 一人出遅れ、仲間外れの線
先行スパン1 雲を作る線の、上下動が多いほうの線
先行スパン2 雲を作る線の、横ばいが多いほうの線
【一目均衡表】その歴史
一目均衡表の歴史について少し触れます。
日本人でよかった。いや、日本ってすげーと思っていただけるかもしれません。
1. 誰が作ったの?
本名:細田悟一(ほそだごいち)またの名を一目山人が考案した日本発の世界を代表するテクニカル分析手法です。世界最高峰のテクニカル分析とさえ言われています。
山口県に生まれた細田悟一は、当時都新聞、現在の東京新聞の商況部長でした。
新聞記者というより今でいう株式アナリストのような感じが近いでしょう。当時の都新聞は現在でいえば日経新聞のような市況に詳しい新聞だったようです。その新聞に細田悟一はペンネーム相模太郎でコラムを書いていて、彼のコラムは投資家たちの大きな信頼を得ていたそうです。
彼は、生涯相場を追求し続けた本物の相場師で、12歳から相場を張っていたそうです。
その細田悟一(一目山人)が相場の真髄を追求するために作った研究所で、研究を重ねて生み出されたのが一目均衡表です。昭和10年(1935年)に、新東転換線という名で都新聞に発表されたものの、作図方法は当時は秘密でした。
その分析があまりにも当たるので、多くの問い合わせがあり、昭和25年(1950年)分析法を教えてほしいと懇願された中の3人にだけその方法を教えたといわれています。その時に10年間手法を秘密にする契約を交わし、莫大な収入を得ます。3人のうちの一人には、大手有名証券会社の社長もいたとか。
その後、20年近くたち昭和44年(1969年)から一目均衡表7部作が順次出版されて、一般の人達にも一目均衡表が知られるようになりました。そこで、一大ブームとなります。現在は、4部のみが出版され、残りの3部は絶版となっています。
現在購入できるのは、「一目均衡表」「一目均衡表完結編」「一目均衡表週間編」「わが最上の型譜」のみです。今これを読んでいる方で一目均衡表に興味を持った方は、ぜひ、3代目一目山人(一目山人のお孫さん)の経営する株式会社経済変動総研のホームページを見てみてください。原著もそちらから購入することができます。
一目均衡表は商標登録されており、チャート作成、セミナー、DVD等利用許可をもらうことが必要となっていますが、現在では無許可なものが多く、手法自体も間違った解釈が横行しているので注意してください。
株式会社経済変動総研では、一目均衡表の勉強会、出版物の情報、一目均衡表倶楽部というメルマガサービスもあり、一目均衡表についての正しい知識を広める活動をしているのでそちらも是非。
今から80年以上前の1935年にすでに一目均衡表の手法ができあがっていたのには驚きです。ストキャスティクスが1950年代、グランビルが移動平均線の法則をまとめたのが1960年だから、一目均衡表はかなりその先をいっていたことがわかります。
ローソク足は江戸時代、世界で一番テクニカル分析の歴史があるのは実は日本とも言えます。
そう、ちなみにローソク足もメイドインジャパン!
鎖国中の江戸時代にすでにローソク足があった理由なんかも興味がわきますね。現在では、ローソク足チャートも日本だけでなく世界中で使われることが多くなりました。
世界でも一目均衡表は、ICHIMOKU CHART、ICHIMOKU CLOUDなどの名前で使われています。最近では、世界中のトレーダーが一目均衡表を利用しています。長い歴史の中で消えてなくなるどころか、今や世界のトップトレーダーたちも利用しているというのです。
2. 一目均衡表、基本の考え方
一目均衡表という名前は、「一目で均衡がわかるチャート」というところからきています。
均衡とは、売りと買いの勢力の力関係の均衡が取れている状態のことを表しています。価格は買い方が強ければ上がるし、売り方が強ければ下がる、当然のことですね。
バランスが崩れた方へ相場は動くというのが一目均衡表の基本的な考え方で、どこが均衡点かを知って、今の時点の買い、売りの勢力のどちらが強くてどちらが弱いかを判断する。それが一目均衡表なんです。
そして、一目均衡表は現在より先にも線が引かれている世界でも珍しいチャートです。大抵のチャートには現時点より先に線は引かれていないと思います。
その現時点より先にひかれている線が、先行スパン1.2です。先行スパン1と2の間のことを「雲」と呼びますが、実はこれ一目山人氏の付けた名前ではないんです。原書では、「抵抗帯」と呼ばれています。抵抗帯というとそれが何を見するのか何となくわかるのではないかと思います。
なぜ未来に線が引かれているのかは、のちに詳しく説明していきます。
【一目均衡表】5つの線を大まかに理解せよ!
一目均衡表の歴史を知ると、すごいテクニカル分析を今からマスターするんだ!とワクワクしますね。
1. 注目するのは5つの線の並び方
5本の線の名前はすべて覚えましたか? 色も自分の好きな色でカスタマイズして、何ならついでに一目山人氏のアバターくらい作りたいものです。何を隠そう私一目山人ファンです♡
さて、突然ですが、下に安定上昇中のチャートがります。
安定上昇中のチャートの線の並び方はいつも同じ。左上から右下へ、遅行スパン、転換線基準線、先行スパン1、先行スパン2です。
ローソクは遅行スパンと転換線の間にあります。
安定下降中のチャートの線の並び方もいつも同じ。左下から右上へ、遅行スパン、転換線、基準線、先行スパン1、先行スパン2です。
ローソク足は、同じく遅行スパンと転換線の間に。
はい、この並びを覚える!テストに出ます!(笑)この並びがクロスをして順番が入り乱れているのがいつも皆さんが見ている一目均衡表です。
2. すべての線はレジスタンス(抵抗線)&サポートライン(支持線)
例えば先ほどの安定した下降トレンドの線の並び方のチャートを見ると、先行スパン2がこのチャートの中でレジスタンスライン(抵抗線)になっているのがわります。価格が先行スパン1を抜けても先行スパン2のところより上に行けない、まさにレジスタンスライン(抵抗線)ですね。
一目均衡表のすべての線がお互いに、レジスタンスライン(抵抗線)、サポートライン(支持線)となっているということを頭に入れておいてください。すべての線が何らかのレジスタンスラインであり、サポートラインということです。
3. すべての線のクロスには意味がある
例えば、
転換線が基準線を下に抜けたら売りサイン
トレーダーの私たちの一番知りたいことは結局どうやったら儲けられるのかということですよね?だから売買シグナルだって知りたいし、トレンドだって把握していたい。
これは一目均衡表の有名な売買シグナルなんですが、チャートをよく見てみると転換線と基準線のクロスはしょっちゅうあるんです。こんなにたくさんシグナルがあっては、正直どこで買ってどこで売るんだ❓となってしまいます。そんなシグナルは役に立たない。
更には5本すべての線のクロスに意味があるとなると、クロスの数は数えきれないほどあるのは想像がつきますね。クロスの中でも、重要なものとそうでないものがあるということです。
テクニカル分析をするときに大切なことは、チャート上に現れているシグナルが本物かどうかを見分けることです。ネットで調べて出てきたパターンにチャートの状況が類似しているというだけで自分のお金を使って売買して本当に大丈夫ですか?
万が一、うまくいったとしてもその次もまたうまくいくとは限りません。運に任せれば必ず1/2の確率です。
1/2の確率をいかに上げていくかが初心者脱出のカギです。ここで勝率が1/2のままだと、FXを続けていくことはできませんよね。
間違った知識でテクニカル分析は使えないなどといった先入観を持つ→テクニカル分析を理解する努力をしなくなる→勝てるトレーダーへの道が遠のく。はい、これ見事な悪循環です。
テクニカル分析を使う場合は、『必ず計算式は覚える!逆に、計算式を覚えられないものは使わない!』これ基本です。
一目均衡表の計算式は、小学生でも理解できるレベルのもの。小学生でも理解できるくらいに簡単な計算式で作られているから難しいわけがない。トレンドを「一目でわかる」ようにしたのが一目均衡表です。難しいというイメージとは逆のシンプルな指標なんです。
【一目均衡表】各線の計算式を覚えろ!
はい、自分の大切なお金を増やしていくためにしっかり計算式を頭に叩き込んでいきましょう。
なんでもそうですが、テクニカル分析にももちろん100%はありません。テクニカル指標のシグナルで仕掛け、仕掛けた後に騙しを早期発見、さっさと手仕舞う、その淡々とした繰り返しが利益を生みます。
1. すべての線の計算式
転換線=(過去9日間の最高値+過去9日間の最安値)÷2
基準線=(過去26日間の最高値+過去9日間の最安値)÷2
遅行スパン=当日の終値を26日過去にずらして表示したもの
先行スパン1={(転換線+基準線)÷2}を26日将来に表示したもの
先行スパン2={(過去52日間の最高値+過去52日間の最安値)÷2}を26日将来に表示したもの
※一目均衡表の日数計算はすべて当日を含めて数える
計算式を自体は全く複雑なものではありませんね。
例えば、過去9日間の最高値というのは、日足のチャートで見れば今日を含んだローソク足9本の中の最高値です。過去9日間の最安値は同様に、ローソク足9本の中の最安値です。
遅行スパンには、計算式すらありません。ただ終値を26日間過去にずらすだけ。そう、ただずらすだけ。
先ほどの説明で気づいた方もいると思いますが、上の計算式だと何日と書いていますが、実は使っているチャートのローソク足の数と同じなんです。だから、1時間足のチャートであれば、9日間の最安値というのは、9時間の最安値になるわけです。
よく間違った解釈で、一目均衡表は日足チャートにしか使えないとか書いてあるんですが、実は日足でも、週足でも月足でも5分足、1時間足などの短期のチャートでも使えます。FXの短期取引には使えないと思い込んでいる方がいますが、大丈夫です。
すべての期間のローソク足に当てはめて使うためには正確な計算式は以下となります。
見出し
転換線=(過去9本足の最高値+過去9本足の最安値)÷2
基準線=(過去26本足の最高値+過去26本足の最安値)÷2
遅行スパン=当足の終値を26本足ずらして表示
先行スパン1={(転換線+基準線)÷2}を26本足将来に表示したもの
先行スパン2={(過去52本足の最高値+過去52本足の最安値)÷2}を26本足将来に表示したもの
もう一つ注意したいのは、足を数えるときには当日も数えるということ。遅行線を26本ずらして書くときは、25本後に書くことになります。そして、この9、26、52という数値は基本的には固定です。ほかのテクニカル指標のように自由に数字を変更する、好きなものを選んだりはしません。
ただし、このパラメーターは絶対に変えていけないということではなくて、遅行スパンはずらす日数を変えて各ケースを比較することもあります。そのほかの数値も若干変更して比較したりしますが、初心者はこのような使い方をすることはまずないので、原則数値はいじりません。
逆に自分で数値を設定する必要がない分、初心者にはとっつきやすいと思います。
2. 線の意味するものは何?
線の計算式を見ると、遅行スパン以外の線はすべて÷2となっているのに気が付くと思います。
そしてその中でも、転換線、基準線、先行スパン2は、過去の一定期間の最高値と最安値を足して2で割ったもの。すなわち、過去一定期間の値動きの平均(中心)です。これを半値、もしくは中値(仲値)と呼びます。
一目均衡表の言葉ではこの半値、仲値を「相場水準」と言います。
ではこの転換線、基準線、先行スパン2の数値をここでは「半値」と呼ぶことにします。
転換線は、過去9日間の半値
基準線は、過去26日間の半値
先行スパン2は、過去52日間の半値
なので、半値が上がる=上昇トレンド、半値が下がる=下降トレンドです。もみ合い相場であれば、短期で小刻みに上昇下降を繰り返すか、横ばいになるのも分かりますね。一目均衡表のこの3つの線は値動きの平均値を意識して作られています。
転換線・・・・・短期トレンド(9日間)
基準線・・・・・中期トレンド(26日間)
先行スパン2・・長期トレンド(52日間)
この3本の線を見るだけで、短期・中期・長期のトレンドを大まかに理解できるというわけです!
【一目均衡表】相場水準を極めろ!
1. 半値の意味すること
相場水準の基本の線=基準線
ここでは、各線の一番基本の線、基準線を例にとって説明をしていきます。
例)過去26日の最高値が300円、最安値が100円とすると、現在の基準線の値は200円です。
(300+100)÷2 = 200 ですね。
もし、現在の価格が基準線と同じ位置200円であれば、過去の値動きとして考えられるのは、どういう値動きでしょうか?
大きく2通りの動きが考えられます。
1. 最安値の100円を打って底から最高値の300円に上昇し、そこから現在の200円に下降した。
2. 最高値の300円から下降して、最安値の100円で底打ちして、現在の200円に上昇した。
他にも細かく動きを想定すればパターンはたくさんありますが、上のケースの「最安値から最高値まで上がって半値、もしくは、最高値から最安値を打って半値まで戻した。」のどちらかです。
【最安値が先に出現した場合】
まず最安値から最高値のケースを検証してみましょう。
この場合は、26日間のうちある時期上昇トレンドがあったということがわかります。なぜなら最安値の100円から最高値の300円に一旦上昇して、そこから現在の200円へ下がっているからです。
そこで上昇トレンドのいずれかの時期に買いエントリーしていたと仮定します。今あなたの知りたいことは何か?それは上昇トレンドが継続するのか、トレンド転換になるのか?だと思います。
上昇トレンドが継続するのなら、さらに価格はさらに上昇して高値更新あたりで決済するか、トレンド転換であれば早期に決済をする必要があります。
その分岐点が基準線の位置になるんです!
どういうことかというと、
現在の価格が基準線の位置より上にあれば、下がる可能性より上がる可能性のほうが高くなり、現在の値段が基準線より下にあれば、もうトレンドが転換した可能性が高いと考えられます。
その分岐点が相場水準。
一旦最高値から半値押して反騰して上昇するのが上昇トレンドの継続です。
基準線は中期トレンドが継続かどうかの分岐点を示しているのです。
【最高値が先に出現した場合】
では、最高値が先に出た場合を見てみましょう。
この場合は、26日の間に下降トレンドだったことがわかります。300円の最高値から100円の最安値に下降トレンドがあり、そこから一旦値が上がっていることになります。
大きな下降トレンドがあったということで、売りエントリーしていたと仮定します。
この場合、一旦値が戻しているので、下降トレンドが継続するのか、値が戻してそのまま上昇トレンドに転換していくのか?を知りたいわけです。これが判断できれば、早急に決済をしたほうがいいのか、最安値を更新を待って決済するかとなります。
その分岐点が、基準線の場所にあたる半値です。
現在の価格が基準線より下にあるとしたら、上がる可能性より下がる可能性のほうが高くなります。現在の価格が基準線より上ならば、上昇トレンドへの転換の可能性が高くなります。そこから一旦下げてきても、上昇トレンドへの転換となります。
2. ひとめで均衡がわかる表?
どちらのパターンでも基準線より価格が上にあれば買い優勢、基準線より価格が下にあれば売り優勢というのがわかると思います。「ひと目で均衡がわかる」という意味は、基準線(半値)の位置がその期間(基準線だと26日間)の売買勢力の均衡点を示すというところからきています。
それぞれの線をまとめると
見出し
転換線は短期の売買勢力の均衡点を表す。(9日間)
基準線は中期の売買勢力の均衡点を表す。(26日間)
先行スパン2は長期における売買勢力の均衡点を表す。(52日間)
半値=相場水準=均衡点なので、それより上に価格があれば買い優勢、それより下にあれば売り優勢となります。
ここで、問題です。上の表の転換線の位置から短期のトレンドを読み取ってみましょう。
ローソク足が転換線より下にあります。ということは少し前までは短期で売りに入ったけれど、現在の短期トレンドは売り優勢ということですね。
ちなみにこのチャートはトルコリラのチャートです。できましたか?
この3本の線と価格の関係を見ただけでいろんなことがわかるんです。
【短期売買の場合】
- 価格が転換線より上にあれば買いが優勢
- 価格が転換線の位置にあれば買いと売りが均衡している
- 価格が転換線より下にあれば売りが優勢
【中期売買】
- 価格が基準線より上にあれば買いが優勢
- 価格が基準線の位置にあれば買いと売りが均衡している
- 価格が基準線より下にあれば売りが優勢
【長期売買】
- 価格が26日先の先行スパン2より上にあれば買いが優勢
- 価格が26日先の先行スパン2の位置にあれば買いと売りが均衡している
- 価格が26日先の先行スパン2より下にあれば売りが優勢
短期・中期・長期の価格と線の関係が読んだだけでは、頭に入ってこないので、簡単に線を書いてみてイメージを視覚化してみてください。そして、実際のチャートで同じ状況を探してみましょう。
それぞれの線の意味が分かれば、短期中期長期を組み合わせて現在のトレンドを読み解くことができるようになります。ただし、この勢力関係は一刻一刻と変化をしていくのでその都度判断していかなければなりません。
3. 三役好転、三役逆転
一目均衡表の解説でよく出ているのが、三役好転、三役逆転という大きな売買シグナルです。
この2つの状況について詳しく見ていきましょう。
三役好転
- 転換線が基準線を上抜ける 「均衡表の好転」と呼ぶ
- 遅行スパンがろうそく足を上抜ける 「遅行スパンの好転」と呼ぶ
- その後、価格が雲を上抜ける 「三役好転」と呼ぶ
通常、価格が上昇していくと下記の図のように三役の好転が1.2.3の順で現れます。
3の価格が雲を上抜けたときは、均衡表もすでに好転し遅行スパンもすでに好転しています。そのため、価格の雲の上抜け=三役好転=買いシグナルと解されやすいのですが、雲だけで判断するとその他が好転していないケースがあるので要注意。単純に価格が雲を上抜けたら三役好転と思ってはダメでなんです。
下降トレンドが上昇トレンドに変わり、価格が転換線を上に抜け、基準線を上に抜け、先行スパン2を上抜けることが正しい意味合いの三役好転です。
もちろん順序はいれかわることもあります。基本はどういう順番かを理解していると順番が変わったときに、基本の値動きではないことに気づくことができます。
値動きのトレンドは大きく分けると、短期中期長期のトレンドです。一目均衡表でいう三役が好転とはそのすべてが上昇を示したということです。そう考えると最高の買いシグナルですね。
ただし、長期トレンドまで転換するということは、価格が底を打ってからかなりの時間経過があると考えられます。
時間経過があるということは、トレンドが小さければすぐに終わってしまうこもあります。
下の図を見てください。
長期のもみ合い相場が続いているのがわかると思います。この場合、転換線が基準線を上抜けただの、下抜けただの言っても全く意味はありません。
三役逆転
- 転換線が基準線を下抜ける 「均衡の逆転」と呼ぶ
- 遅行スパンがろうそく足を下抜ける 「遅行スパンの逆転」と呼ぶ
- その後、価格が雲を下抜ける 「三役逆転」と呼ぶ
ここでも同様に、価格が雲を下抜ける=三役逆転ではありません。
均衡表が逆転し、遅行スパンが逆転し、その後価格が雲を下抜けたとき、はじめて三役逆転と呼びます。
三役逆転とは短期勢力も中期勢力も長期勢力も売りのほうが優勢になったということです。「三役好転」「三役逆転」の出現の順番をよく頭に置いておきましょう。
【買いシグナル】
- 均衡表の好転=早めの買いシグナル
- 遅行スパンの好転=やや早めの買いシグナル
- 三役好転=遅めの買いシグナル
【売りシグナル】
- 均衡表の逆転=早めの売りシグナル
- 遅行スパンの逆転=やや早めの売りシグナル
- 三役逆転=遅めの売りシグナル
価格が底を打ってから安定して上昇した場合では、均衡表の好転からローソク数本で遅行スパンが好転します。この2つのシグナルは近いんです。ということはちょっとした値動きの変化で出現の順番が変わることもよくあります。
三役好転、三役逆転まで待って動くと小さなトレンドの場合では遅すぎることがしばしばあります。そのため、1の段階の均衡表の好転、逆転で仕掛ける人が多いのです。
早めのシグナルなので、だましがそれなりにあることも覚悟しなければなりません。どの時点で仕掛けるかは、投資家自身の判断となります。
4. 一目均衡表基本図
一目均衡表尾各線の動きをシンプルに表にしたものです。
白い線が価格、100日間一定額下降し、その後100日間一定額上昇する値動きです。単純化された値動きで各線がどのように動くかを理解できます。
この表でもう1つわかるのは、三役好転の時間系列です。
まずは、価格が底を打って均衡表の好転、その少し後に遅行スパンの好転、最後に3役好転となります。そうなると、三役好転して仕掛けると間に合わないケースがあるということに気づくと思います。この表は100日間の値動きですが、もっと短い上げ相場だと上昇の終わり頃にポジションを持つことになりかねません。
上の図は、白い線が値動き、100日上昇、100日下降の先ほどと反対の図です。
先ほどの表とともに頭に入れておきましょう。
言うまでもなく、ここでは三役逆転が起きています。この表を見てもやはり三役逆転をしてから仕掛けたのでは、遅いことがあるというのがわかります。
【一目均衡表】転換線を極めろ!
線を計算式も含めて1本ずつ見ていきます。
最初の線は転換線です。さあ、何度も言いますが計算式を覚えましょう。
1. 計算式
転換線=(H9+L9)÷2
※H9=過去9日間の最高値、L9=過去9日間の最安値
もっと簡単に言うと
転換線=(過去9日間の最高値=過去9日間の最安値)÷2
※過去9日間とは本日を入れて数える
上記は日足での計算で、週足、月足の長期、15分5分の短期でも同様に使えます。
転換線=(過去9本間の最高値=過去9本間の最安値)÷2
ですね。
一目均衡表は相場変動の中心部分を常に把握することができるんですね。これを応用すればいろいろなことがわかります。だから深いと言われているんです。
前にも書いていますが、
転換線は短期(9日間)の半値
基準線は注意(26日間)の半値
先行スパン2は長期(52日間)の半値
でしたね。
価格の変動には波があります。波を描きながら上昇、下降する、その動きのエリアの中心点が半値=「相場水準」です。
価格変動のイメージです。
上昇トレンド
下降トレンド
もみ合いトレンド
上昇トレンドとは、相場水準がどんどん切りあがっている状態。
下降トレンドとは相場水準がどんどん切り下がっている状態。
もみ合いとは相場水準が横ばい、または細かく上がったり下がったりを繰り返す状態。
です。
2. 転換線は何を表す線か?
復習です。転換線は何を示す線ですか?
短期の相場水準を表し、短期トレンドの方向性を示し、短期トレンドの均衡点を示す。
一つ一つ確認してみましょう。
【転換線の意味】
まず、転換線が短期(9日間)の価格変動の中心を示すということは先ほど説明しました。
転換線が短期の相場水準をつないだ線だとすると、転換線の向きがまさに短期トレンドの方向性となるのも分かりますね。
価格が転換線と同じ位置にあるとしたら、短期の買い勢力と売り勢力の均衡がとれています。
【転換線と価格の関係からわかること】
- 価格が転換線より上にあれば、短期で買いが優勢
- 価格が転換線上にあれば、短期で売りと買いが均衡している
- 価格が転換線より下にあれば、短期で売りのほうが優勢
3. 押し目・戻しの限界
一目均衡表の分析のために重要なセオリー。
トレンドがあるときは押し目・戻しの限界ポイントを示す。
もみ合いの時はもみ合いの中心を示す。
ということです。
ただしこの特徴は、相場水準である半値にのみ現れるので、転換線、基準線、先行スパン1・2に限ります。遅行スパンは、26日間遅れて値動きを表示しているものなので半値ではありません。
もみ合い相場の中心と書いてある線は、一目均衡表のそれぞれの線になります。同様に、もみ合い上限、もみ合い下限もこのそれぞれの線になります。
4. 上昇トレンドの押し目と限界ポイント
上昇相場が押し目を迎えたとき、どこで押し目が終了し再度上げに転ずるか、そのポイントが一目均衡表の4本の線になりやすいのです。
上のチャートは基準線が押し目の限界の強い上昇トレンドです。
この場合、転換線、基準線、先行スパン1、先行スパン2と上から線が並びます。
上昇トレンドの特徴的な4本の線の位置関係です。
この上昇トレンドの基本の線の並びがトレンドの強さによりどのように働くかを下の表で見ていきます。
① 非常に強い上昇相場の場合
上昇トレンドが非常に強く安定しているときは、転換線が押し目の限界(=サポートライン)となり価格が上昇します。
② 強い上昇相場の場合
上昇トレンドが強いときは、押し目が入ったとしても基準線が押し目の限界(=サポートライン)となり上昇します。押し目が入っても、基準線までなら上昇トレンドはまだまだ安定上昇中ということになります。
③ まずます強い上昇相場の場合
上昇トレンドがやや強いときは、先行スパン1が押し目の限界(=サポートライン)となり上昇します。ここまで押し目が下がってくると、上昇トレンドが不安定であると認識し、注意する必要があります。
④ ギリギリの上昇相場の場合
上昇トレンドがギリギリ維持されたときは、先行スパン2が押し目の限界(=サポートライン)となり上昇します。
先行スパン2まで押し目が下がれば、もうどちらに振れてもおかしくない状況です。一歩間違えれば上昇相場が終了するかもしれなかったが、かろうじて上昇したという状態です。
この上の図は先ほどの表がチャート上で見られる例です。
長期で上昇している相場で基準線まで戻し(図①)、その後先行スパンまで戻し(図②)、現時点では先行スパン2(図③)まで戻してきています。
この様子だと、上昇トレンドの勢力はかろうじて継続中だが、注意が必要というところでしょう。
まとめ
① 転換線までも押しは、短期、中期、長期トレンドとも買い方優勢継続。強い買い
② 基準線までの押しは、短期トレンドが一時的に売り優勢、中期、長期も買い優勢キープ。トレンドは買い。
③ 先行スパン1までも押しは、短期、中期トレンドまでが一時的に売り優勢。ただし、長期トレンドはまだまだ買い優勢で安定。
④ 先行スパン2までの押しは、短期、中期、売り優勢。長期も売り優勢に傾きかけたが、跳ね返したケース。上昇トレンドが続くための最後の砦。ここを下に抜けると、これまでの上昇トレンドが終わった、との判断となる。
5. 下降トレンドの戻しの限界
下降のトレンドが続くと、価格と4本の線の位置関係は上の図のようになります。
下から価格、転換線、基準線、先行スパン1、先行スパン2という並びです。
価格が転換線に抑えられて下降しながら、戻しが基準線のところで大きな抵抗になっているのがわかると思います。
①非常に強い下降相場の場合
下降トレンドが非常に弱く非常に安定しているときは、転換線が戻しの限界(=抵抗線)となり価格が下降します。
②弱い下降相場の場合
下降トレンドが弱いときは、戻しが入ったとしても基準線が戻しの限界(=抵抗線)として価格が下降します。
③まずまず弱い下降相場
弱い下降トレンドのときは、下降トレンドの戻しが先行スパン1を戻しの限界(=抵抗線)として下降します。
④ぎりぎりの下降相場の場合
下降トレンドがギリギリ維持されたときは、先行スパン2が戻しの限界(=抵抗線)として下降します。下降相場がかろうじて維持されたという状態です。
まとめ
① 転換線までの戻しは、短期、中期、長期トレンドが売り優勢。強い売り。
② 基準線までの戻しは、短期トレンドが一時的に買い優勢、中期、長期トレンドも売り優勢をキープ。トレンドは売り。
③ 先行スパン1までの戻しは、短期、中期トレンドが維持的に買い優勢、長期トレンドはまだ売り優勢で安定。
④ 先行スパン2までの戻しは、短期、中期買い優勢、長期トレンドも買い優勢に傾きかけたが跳ね返したケース。ここを抜けると下降トレンドは終わったとの判断。
6. 転換線ポイント
転換線は、最も安定したトレンドを探すための大きなサインをくれます。
安定した上昇トレンド、下降トレンドがトレードの中で一番利益を生むところですから、一番大切だというのがわかります。
【安定したトレンド】
安定した上昇トレンドは価格が転換線の上側に沿って上昇
安定した下降トレンドは価格が転換線の下側に沿って下降
こういう状況を見つければ、非常に安定したトレンドです。
そして、上昇トレンドで価格が転換線から離れてさらにどんどん上昇していく場合は、トレンドが過熱している印です。一定以上離れるとその後調整のための価格の修正安が入ります。
同様に下降トレンドで価格が転換線から離れてどんどん下降していく場合も、下降トレンドが過熱している印です。離れすぎるとその後調整の価格高が入ります。
上の図は安定した上昇、下降トレンドと、上昇から下降へのトレンド変換の時に大きく転換線から離れて、修正が一旦入ってから下降トレンドへ転換していく様子がよくわかる典型的な値動きです。
【一目均衡表】基準線を極めろ!
突然ですが「基準線」は一目均衡表の中でも一番大切な線です。
基準線は相場を見る上で基準となる線であり、一目均衡表の中でも基準となる線です。基準線と転換線の見分けがつかなくなることがあると思いますが、価格に近いのが転換線、ちょっと離れているのが基準線でしたね。
動きが激しいのが転換線、それに比べると緩やかな動きなのが基準線とも言えます。
そして、上昇トレンドでは転換線が基準線の上にあり、下降トレンドでは基準線が転換線の上にあります。
気を付けたいのは、一目均衡表は全体で一つということ。一部の線だけで相場を判断するとだましにあいやすいので気を付けましょう。
1. 計算式
基準線=(H26+L26)÷2
※H26とは過去26日間の最高値、L26とは過去26日間の最安値
もっとわかりやすく書くと
基準線 =(過去26日間の最高値+過去26日間の最安値)÷ 2
※但し、過去26日間とは本日を入れた26日間のこと
ただし、これは日足での計算。
各時間足に使えるので実際には、
基準線 =(過去26本間の最高値+過去26本間の最安値)÷ 2
※過去26本間とは直近のろうそく足を含めたろうそく足26本分
ですね。
基準線は過去26日間の値動きの中心値をつないだもの
転換線と似ていますね。
2. 基準線は何を表す?
では、基準線は何を表しているのか、転換線の時を思い出してみましょう。
中期相場水準、中期のトレンドの方向性、中期トレンドの均衡点を表す、ですね。
価格が基準線上にあれば、売りと買いの勢力が均衡しているということです。
上の図を見ると、下降してきた値動きが上昇をして、今売りと買いの勢力の均衡がとれている点にある、ちょうど半値戻した状態です。
下降トレンドからの戻しが基準線より下であれば、まだ売りが優勢ということ。基準線より戻しが上なら基調転換で買いが優勢という可能性が高くなります。
上の図は上昇トレンドからの半値押し。
同じような上昇トレンドでも、押しが基準線より上にあれば上昇トレンド継続の可能性が高くなり、基準線より下に来れば上昇トレンドはもう終了したと判断できます。一旦戻しても価格は下がっていく可能性のほうが高くなります。
まとめ
価格が基準線より上だと、中期は買いのほうが優勢
価格が基準線上だと、中期は売りと買いが均衡している
価格が基準線より下だと、中期は売りのほうが優勢
基準線はすべての基準です。
3. 押し目・戻しの限界
復習になります。
一目均衡表の各線は
- トレンドがあるときは押し目・戻しの限界ポイントを示す。
- もみあいのときはもみあい相場の中心を示す。
※各線とは遅行スパンを除いた4本の線のこと。
トレンドの強いときの押し目が転換線で跳ね返されて、そこを突破すると次の壁となるのが基準線だというのがわかりやすく見れるチャートです。
転換線のところでやったように、トレンドが強いときは、転換線で跳ね返され、そこを突破すると基準線になります。
一般的には短期の勢力が一時的に反転したのが転換線、中期長期で見ても基準線で跳ね返されればまだ現在のトレンドを維持していると考えられます。
4. もみ合い相場では中心を示す
下の図を見ると、「もみ合い相場ではもみ合いの中心を示す」ことがよくわかると思います。
太い赤線が基準線です。もみ合い相場では、相場の中心を示しています。
一目均衡表を見るときに、基準線の傾きを見れば、現状が上昇か下降かもみ合いかが一目でわかるんです。
そして、上昇もしくは下降トレンドなら一目均衡表の各線は押し目・戻しの限界ラインとなります。
ところで移動平均線と一目均衡表って似てると思いませんか?
下の図は、26日移動平均線と基準線です。ほぼ同じような動きをしています。
でもよく見てみると、明確な違いがあります。直線が多いほうが基準線。2つの線の計算式を比べてみれば理由がわかります。
- 基準線=(H26+L26)÷2
- 26日移動平均線=(P1+P2+P3+P4+・・・P24+P25+P26)÷26
※H26 は26日間の最高値、L26は26日間の最安値
※P1・P2・P3・・・・P26は26日間の終値
一目均衡表の基準線は期間中の最高値と最安値のみを参照して、その期間中の相場の中心を割り出しています。その相場の中心が相場水準である半値の位置を示します。
移動平均線は過去26日間の平均値を算出。その間に買った人、売った人の平均的売買値を探し出し、現在の価格と比較するためです。
なので、毎日上がったり下がったりするのは平均移動線です。
では基準線の直線は何を意味するか?
価格は毎日上下しているにもかかわらず、基準線が直線を描いているということは、過去26日間の最安値、最高値が同じ状況が続いていることになります。
5. 相場水準が上昇する条件
ではどういったときに相場水準が上昇するのでしょうか?
相場水準が上昇する条件は、2つ考えられます。
- 最高値の更新(最高値が前日までの最高値よりさらに高くなること)
- 安値の切り上げ(最安値が前日までの最安値より高くなること)
最高値が更新されるというのは、わかりますね。2つ目の最安値の切り上げとは、26日間の一番古い日に最安値があったとき、次の26日間の最安値を出すときに、一番古い日の最安値は含まれなくなり、最安値が切りあがる場合です。
26日間の途中に最安値がある場合は、さらに最安値がついて切り下がることはあっても、きりあがることはありません。
もう一つのケースが、最高値が更新されるケースです。
6. 相場水準が下降する条件
相場水準が下降する条件は以下の2つが考えられます。
【半値線が下降する条件】
- 最安値の更新(最安値が前日までの最安値よりさらに低くなること)
- 最高値の切り下げ(最高値が前日までの最高値より低くなること)
最高値が切り下がる場合は、基準線の場合だと26日間で一番古いデータが最高値だった場合だけです。 つまり、この相場水準を表す線(ここでは基準線)が上昇下降するということはとでも重要な意味を持つわけです。
相場分析においては、最高値更新、最安値更新は一番重要なイベントです。
7. ついでに、移動平均線が上昇下降する条件
移動平均線が上昇下降する場合についても確認してみましょう。
移動平均線が上昇する場合は、 5日間の移動平均線の場合であれば、AとF が、A 例えば、上昇トレンドが続いた場合5日前の価格より本日の価格のほうが高くなるし、逆もしかり。ただし、たまたま5日前の価格がイレギュラーに低かった場合、この価格が含まれなくなることで、移動平均線が大きく上昇することになります。 逆に下降トレンドであれば、A>Fの場合ですね。 そして同様にイレギュラーに5日前の価格が高ければ、その価格が含まれなくなることにより価格が大きく下降することになります。 これが移動平均線の問題点であったりもするんですね。 下の図を見ると価格がもみ合い状態で基準線が横ばいになっています。もみ合い相場の場合の相場水準の特徴でしたよね?真ん中の点線が基準線です。 この直線はいかに値動きが上下してもその期間中の相場水準が変わってないことを示しています。中心の値を示しています。 この直線がいつのタイミングかで上昇もしくは下降を始めます。その動き出しが新高値更新か新安値更新の可能性が高いわけです。 上の図の緑の〇の時点でもみ合いのレンジから抜けて上昇に転じている部分となります。 もちろん、先ほど説明したように26日前の最安値が切りあがったことも考えられますが、それは継続したトレンドにはならないのですぐに見分けることができます。 永井ですね。いえ、長いです。次は先ほどサラッとやった売買シグナルに入っていきます。 そもそも均衡表というのは、基準線と転換線の表から始まり、のちにスパンと呼ばれる線が足されて一目均衡表が完成しました。もともとは、トーソク足と2本の線からなる表だったのです。 均衡表において、転換線が基準線を上抜くことを「均衡表の好転」と呼び、転換線が基準線を下抜くことを「均衡表の逆転」と呼びます。 中心となる売買シグナルです。 上昇トレンドから下降トレンドに変化するとき、下降トレンドから上昇トレンドに変化するとき、この2つの線はクロスします。 つまり、均衡表の好転・逆転とは、大きなトレンドの変化とみることができます。 【一目均衡表の代表的3つのシグナル】 ◆買いシグナル ※3つ揃って三役好転と呼ぶ。 ◆売りシグナル ※3つ揃って三役逆転と呼ぶ。 まず一つ一つ見ていきましょう。 基準線と転換線がクロスすることはトレンドの転換を意味します。 さっきも出てきた表ですが、太い白線が価格の動きです。一定周期で下降・上昇を繰り替える価格変動を仮定して作り、線がどのような状態になっていくかを見ていきます。 まずは、安定下降期には各線は右肩下がりで平行です。 そして、安定上昇期には各線は右肩上がりの平行です。 つまり価格も含めたすべての6本の線が平行になります。 逆にそうでないときはどのようなことが考えられるかというと、平行でなく各線の間隔が広がったり狭くなったりするということです。 そうなると、価格の変動が過熱しているかトレンドに勢いがなくなってきているということを表しています。 上記の表のように値動きが安定した上昇下降を繰り返すなら、均衡表の好転・逆転は素晴らしい売買シグナルです。 ただし、実際の相場ではこのようにわかりやすい値動きばかりではありませんよね。 上のようなもみ合い相場の場合、転換線と基準線のクロスだけを見て「均衡表が好転」「均衡表が逆転」といっても意味はありません。それがもみ合い相場です。 上の表は、規則正しい売り買いの繰り返しからもみ合い相場に突入していっています。白い線が価格です。見えづらいですね(笑) 拡大しました。振れが大きければ「均衡表の好転」で買い、「均衡表の逆転」で売ってしっかりとっていくことができます。 もみ合いに入ってくるとまた、全く見えなくなってます(笑)さらに拡大してみましょう。 こうやって後から見れば、もみ合いに入っていって、もみ合っているのがわかりますが、オンタイムでチャートを見ている分にはどこからがもみ合いかを判断するのが難しいですよね。 正しく好転・逆転シグナルを活用するにはもみ合いに突入する予兆を見つける必要があります。 大きなトレンドがあるときと、トレンドが小さいとき、そしてもみ合いになるときでは各線の動きがどう違うのかを見極めなければなりません。 【だましの少ない均衡表の好転】 上の2点を確認したうえで、転換線が基準線を上抜ければ均衡表の好転と呼ぶわけです。 もみ合い相場であれば、均衡表の好転・逆転は機能しないというのはすでに学びました。 下の図は条件を満たさずだましになっている例です。 ここを確認して、騙しになりやすいと状況を判断すれば、仕掛けないのが賢明です。 【さらに正しい均衡表の好転】 ※好転した直後はまだ基準線の下げが続いているケースがあるが、すぐに上昇に転じなくてはならない。 ※基準線が横ばいが長いともみ合い入りを暗示しているので正しい好転とは言えない。 ※好転直後は一時的に価格が基準線を下回ることがあるが、すぐに上昇する。 【だましの均衡表の好転】 ※基準線が下げだすと決定的。 ※クロスすると決定的。 こういう状況を発見したら、均衡表の好転のサインで買いポジションを持っていたとしてもさっさと手仕舞いましょう。 下の図は、均衡表の好転で仕掛けた後に、だましのサインが出たのですぐに手仕舞ったケースです。 エントリー後、上昇していた価格が途中から下がっていき基準線を割ってしまっています。その後転換線が横ばいで準線を割り込んでいきます。これは典型的な騙しのパターンです。ここで即手仕舞いです。この場合、ほとんど損なく終了することができました。 ここで判断が遅れれば大損失です。 均衡表の逆転についてもまとめてみましょう。 【騙しの少ない均衡表の逆転】 【さらに正しい均衡表の逆転】 ※逆転した直後はまだ基準線の上げが残っているケースがあるがすぐに下降に転じなくてはならない ※横ばいが長いともみ合い入りを暗示しているので正しい逆転とは言えない ※逆転直後は一時的に価格が基準線を上回ることがあるが、すぐに下降。 【騙しの均衡表の逆転】 ※基準線があげ始めると決定的 ※クロスすると決定的 何度も言いますが、好転・逆転の状況を実際に自分でチャートに書いてみることをお勧めします。そうすることによって、はっきりイメージができるようになります。 何度も言いますが、一目均衡表では、もみ合いに入ると売買シグナルが通用しなくなります。では、もみ合いに入ったときにどうするかを見ていきましょう。 一目均衡表はトレンドがなくなってもみ合いの状況でも使えます。 それでは、復習です。 一目均衡表の各線は トレンドがあるときは、押し目・戻しの限界点 もみ合い相場の時はもみ合いの中心を示す もみ合いの時、一目均衡表の各線は横ばいになり、線と線がくっついていきます。その横ばいの線がもみ合いの中心を示します。 下の図の後半に明らかなもみ合い相場があります。遅行スパンを除く四本の線(転換線・基準線・先行スパン1・2)がどのように動いているかをよく見てください。 各線が横ばいになっているのがわかりますね。特に基準線と先行スパン2の横ばいが長いです。 見えにくいですね。拡大してみました。 【もみ合い相場の時の一目均衡表各線の特徴】 各線は横ばいになっていく 各線はどんどんくっついていく 横ばいの線がもみ合いの中心部分を示す。(特に基準線が中心になりやすい) 26日以下の周期で最高値・最安値が変わらずに長期間もみ合うと、基準線も先行スパン2も同じ価格で横ばいになりやすいです。 上の図ではやや先行スパン2が上にあり、基準線が下にありますよね。 ここでわかるのは26日以上前の相場水準がやや高かったということです。 基準線は現在の26日間の中心を示していますが、先行スパン2はさら52日間の中心を示しているのでこのずれが生じます。 遅行スパンだけは現在の価格を26日過去にずらしただけで相場水準ではないので上の図には表示していません。遅行スパンも横ばいになることは、価格が横ばいにならない限りありません。 2. もみ合いの周期と各線の動きの関係 もみ合い相場とはある一定のサイクルで上昇下降を繰り返すというのが基本的な動きです。 天井から天井、底から底までの間隔を周期と呼びます。 なぜ、周期の話をしたかというともみ合い相場の時の線の動きで周期が何となくわかってくるからです。 【もみ合い時の一目均衡表の各線の動き】 1. 転換線 9日以下の周期の時は完全に横ばい。9日よりも長い周期の時はある時期上昇、ある時期下降をその周期に合わせて繰り返す。 2. 基準線 26日以下の周期の時は完全に横ばい。26日よりも長い周期の時はある時期上昇、ある時期下降をその周期に合わせて繰り返す。 3. 先行スパン1 9日以下の周期の時は完全に横ばい。9日よりも長い周期の時はある時期上昇ある時期下降をその周期に合わせて繰り返す。 ※転換線に似ているが、その上昇下降幅は転換線の上下幅より小さい。 ※26日ずらしているので、実際のもみ合い期間より26日ずれて表示される。 4. 先行スパン2 52日以下の周期の時は完全に横ばい。52日よりも長い周期の時はある時期上昇ある時期下降をその周期に合わせて繰り返す。 ※26日ずらしているので、実際のもみ合い期間より26日ずれて表示されるので注意。 ※もみ合い期間が52日以下の時は横ばいにならない 5. 遅行スパン 価格の動きを26日過去に動かしただけなので、もみ合いの時の価格と同じものが26日過去に現れる 転換線と先行スパン1は、もみ合い周期が9日間以内というのがあまりないのでなかなか完全に横ばいになることはありません。 そして、先行スパン2が横ばいになった場合、52日間以上の長期のもみ合いが続いていることがわかります。 気を付けなくてはならないのは、先行スパン2は26日ずれているので、線が表れている時点より26日前の話だということも忘れないでください。 下は基準線と転換線だけを表示した図です。 基準線と転換線がクロスを繰り返している前半部分がもみ合い相場というのはすぐにわかります。そして、相場水準を基準線が示しているのはわかりますね。 見えづらいので、拡大しましょう。 どうやって仕掛けていくかを考えてみましょう。 【もみ合い時の仕掛け方①】もみ合いの中心から編 もみ合いの後は、価格が解き放たれた方向に大きく動く傾向があります。もみ合い期間が長ければ長いほど一般的にその力も大きくなります。蓄えたエネルギーが一気に解き放たれるイメージです。 ただ、過去のチャートを見てここでもみ合いが終わって、ここから一気にもみ合いが放たれていると確認するのは簡単なのですが、オンタイムでチャートを見るとなかなか判断をするのが難しいです。 そこで、一目均衡表が役に立つんです! もみ合い相場でのもみ合い放れの前のクロスは騙しのクロスではないのでここを読み取っていきます。 もみ合い中の転換線は基準線を上下に行ったり来たりします。その転換線が上か下へ大きく動き基準線も遅れて同じ方向に動き出すともみ合いの終わりを見極めることができます。 上の図の均衡表の好転が、もみ合いの放れを示しているのがわかると思います。 この後大きな上昇トレンドとなっていますね。 【もみ合い時の仕掛け方②】均衡表の好転・逆転編 ※価格が基準線を抵抗線として一旦動き、そこから跳ねるという基本パターンもある。 そして、均衡表の好転・逆転の後、基準線と転換線の間隔が広がっていくと新しいトレンドを形成中と考えられます。この2本の線の間隔もとても大切です。 均衡表の好転・逆転から放たれるときのパターンとして一方向に動き始めた価格が一旦基準線まで戻ってから、基準線に跳ね返されてから一気に抜けていくパターンがあります。これもよくあるパターンです。 長くなってきましたが、ついてきてくださいね。 【ミニ知識コーナー】 一目均衡表を見ていくときに、26本分のローソク足分、9本分のローソク足を確認する必要があります。26日間の半値を確認しようとして期間を特定するときなんかに必要になりますよね。 もしかして、1本2本と数えていませんか?(笑) 何を隠そう私は数えていました。26本なんて途中でわかんなくなっちゃうから、この辺かな?なんてかなり適当な性格です。 上の図を見てわかるように最新の足から先行スパン1・2の先までが26本分なんです。 でついでに、最新の足から遅行スパンの先端までが26本! なので、基準線の26日間を知りたいとき、最新の足から遅行スパンの先までを確認すればOK。 上の図で見ると、最新のローソク足から遅行スパンの間の26本でわかりやすいですが、下の図のようにローソク足が最新でないところから26本数えたいときはどうすればいいのでしょうか? 遅行スパンは終値を26日分過去にずらした線です。それを利用します。 基準にしたいローソク足の終値が遅行スパンと交わる部分が26本分です。 遅行スパンと基準の足の終値が何度か交わっても線の形と値動きを見ればどこが正しい交わりかわかりますね。 そして四角を作ればOK。 過去にさかのぼって26本数えるときは、遅行スパンを使えばいいのですが、チャートの途中のローソク足から未来に26本数えるときは、もう長さでやっています。さっきの遅行スパンを使ってその長さと同じ長さ分が26本分というわけです。 最近はチャートにいろいろなツールがついていて、こういったことを知らなくても大丈夫だったりもしますよね。 では、本題に入っていきます。 均衡表の好転・逆転は基準線と転換線がクロスすることにより起こります。 ちなみに、一目均衡表でクロスと呼ぶのは、同値になった瞬間からクロスと呼びます。超えたところではありません。 「転換線と基準線が同値になることがしばしばありますが、この場合でも転換でありまして、これはその後日数が経れば必ずや同値になった前の状態の逆になるものであります。」 一目山人 原著 均衡表の好転・逆転は基準線と転換線が重なる瞬間です。 転換線とは、過去9日間 の中心値をつないだ線、基準線とは過去26日間の中心値をつないだ線です。これが重なるということは、本日を含めた過去9日間と26日間の中心値(相場水準)が同値になるということです。 それでは、どういう場合にこのクロスが現れるかを見ていきましょう。 下の図はHが最高値、Lが最安値、緑の線が基準線。水色が転換線です。 ① は26日間の最高値と9日間の最高値が同値の場合。26日間の最安値は9日間の最安値より低い。 ② は9日間の最高値と最安値が26日間の最高値と最安値の間に入っている場合。 ③ は26日間の最安値と9日間の最安値が同値の場合。26日間の最高値は9日の最高値より高い。 ④ は26日間の最高値と最安値が9日間の最高値と最安値の間に入っている場合。 ちょっと待って。何かへんだ!と思われましたか? この中で、起こりえないのが④です。9日間の最高値が26日間の最高値より広範囲の値動きをカバーしているのは変です。9日間の値動きは必ず26日間の中にあるはずです。 ① は上昇トレンド、③は下降トレンドです。これも理解できますね。 では、ひとつずつ見ていきましょう。 ① の上昇トレンドの場合から 上昇トレンドでは過去9日間の最高値と過去26日間の最高値は同じになります。 あえて、例外を探すとすれば、26日間の中で9日間より前に最高値を付け、その後その価格は超えていないが、まだ高値圏にいるので全体としてはまだ上昇トレンドが続いているような変則パターンです。 それでも9日間の最高値は26日間の最高値と近いことは間違いありません。 特殊なケースを挙げるとややこしくなるだけなので、①を例外なしで考えていきます。 上昇トレンドでは過去9日間の最安値は過去26日間の最安値より高いというのも当然です。 最高値は一緒で、最安値は過去9日間のほうが高いわけですから、9日間の中心値は26日間の中心値より高くなります。 これが、上昇トレンドでは転換線が基準線より上にくる理由です。 次に③の下降トレンドの場合です。 下降トレンドでは過去9日間の最安値が26日間の最安値と七時になります。そして、9日間の最高値のほうが26日間の最高値より低いですね。 そうすると過去の9日間の中心値は必然的に26日間のものより低くなります。 これが、下降トレンドでは転換線が基準線より下に来る理由です。 転換線と基準線が同値となるのはどんな時でしょうか? 考えられるのは上の3つのパターンですね。 ① は最高値、最安値ともに同じ場合 ② は9日間の最高値・最安値が26日間の最高値・最安値の値の中心にある場合。 ③ は26日間の最高値・最安値が9日間の最高値・最安値の値の中心にある場合。 ん!?何か変ですね。そう。ここでもやはり③は起こりえません。26日間の値動きの範囲が9日間の値動きより小さくなることは絶対にありません。先ほども、9日間の最高値・最安値は26日間の範囲に必ず含まれるといいましたね。 よって、上記の2つのパターンに限られます。 ここで思い出してほしいのが、 価格が転換線より上にあれば短期勢力は買いが優勢 価格が転換線上にあれば短期勢力は売り買いが均衡 価格が転換線より下にあれば短期勢力は売りが優勢 価格が基準線より上にあれば中期勢力は買いのほうが優勢 価格が基準線上にあれば中期勢力は売り買いが均衡 価格が基準線より下にあれば中期勢力で売りが優勢 でしたね。 ここで、転換線と基準線が同値ということは転換線と基準線のクロス点です。 価格がクロス点より上にあれば短期中期とも買い勢力が優勢 価格がクロス 点上にあれば短期中期とも売り買いが均衡 価格がクロス点より下にあれば短期中期とも売り勢力が優勢 これが、今まで話してきた均衡表の好転・逆転の本当の意味です。 まとめると 短期中期の買い方・売り方の勢力図が変わるポイントが「均衡表の好転・逆転」の位置です。 では、先ほどの①と②に戻ります。 ②から見ていきましょう。 均衡表好転の基本形 下降していた相場が9日以上前に底を打ち上げに転じているケースです。そして26日間の下げ幅の半値以上がったところで転換線と基準線が同じ値になる瞬間があります。これが均衡表の好転です。 基準線と転換線が描いているのがブーメラン型です。 そうこういう形ですね。 均衡表の逆転基本形 一旦上昇していた相場が9日以上前に天井を打ち下げに転じています。そして26日間の上げ幅の半値以上下がったところで転換線と基準線がクロスします。これがいわゆる均衡表の逆転です。 これも見事にブーメラン型を2本の線が描いています。 それ以外にも②のパターンでもみ合い相場が考えられます。 そして先ほどのパターン①がこの場合です。 これは、暴騰・暴落の時に見られるパターンです。 実際のチャートを見てみましょう。 このように9日間の間に暴騰暴落があると基準線と転換線は同値となり重なったまま動きます。過去9日間と26日間の最安値と最高値が同じである状態が継続した状況です。 ここまで見てきてどういう相場で転換線と基準線がクロスするかを理解できたと思います。 基本的には線と線の間隔が広いブーメラン型のクロスが正しいクロスです。転換線と基準線の間隔が狭いクロスなどのそのほかのケースは仕掛けないほうが無難です。 先行スパン1を飛ばして、2から行きます。 先行スパン1・2が価格より未来に描かれているのは、一目均衡表の最大の特徴ともいえます。 未来に線が描かれているチャートはほかにもあまりないと思います。 なぜ先行しているんでしょうか? 先行スパン2=(H52+L52)÷ 2 ※H52とは過去52日間の最高値、L52とは過去52日間の最安値のこと。 ※この計算式で出した数値を本日を含めて26日将来に描く。 ※数値はすべて本日を含む。 基本的な考え方は転換線・基準線と同じですね。 すべての計算式がそうですが、上の場合は日足での計算です。 5分足、1時間足、週足、月足でも同様に使えます。 計算式からわかることは、先行スパン2も相場水準を表す線だということです。そう、半値です。 先行スパン2は52日間の値動きの中心値を出して、26日将来にずらした線です。 52日間の長期の相場水準、トレンドの方向性、均衡点を示す線です。 実際のチャートを見ながら確認していきます。 相場水準の線であること、上昇相場、下降相場のトレンドを示すことは転換線、基準線と同字なのでわかりますね。 そして、長期勢力の均衡点を示すのも同様です。では、なぜ長期トレンドの均衡点を示すものを26日も将来にずらして描くのでしょうか? 予測と予想、よく似た言葉ですね。 有名な投資家達も予想を的中させることができないと言っています。未来のことはだれにもわからないのです。 テクニカル分析は現状を分析する技術です。今ある状況を分析し正しく認識することがトレードではとても重要です。予想はできませんが、現状を分析して、ある程度未来に起こることを想定することは可能です。これを予測と言います。 例えば今の時点から価格が上昇して、抵抗線を抜ければ買い勢力に傾くとか、価格が下降して支持線を抜けたら勢力が強い売りになるとか予測を立てることができます。 現状を正しく認識するためには、値動きのパターンを理解する必要があります。 値動きのパターンは大きく分けると3パターンになります。 上昇、下降、もみ合いです。 52日間の値動きが上昇だった場合、これほどの長期の上昇であればエントリーをしている可能性が高いでしょう。その場合、いつかは値段が下降します。いつの時点で利確するか?がポイントになってきます。 上の図を見るとわかると思いますが、52日周期の上昇下降の場合、26日目が半値押しになる地点と考えられます。 それが先行スパン2の位置なんです。 なので52日間が上昇トレンドでエントリーしていて、押し目が入ったときにどこまでなら我慢して、どこからは無条件で決済かという分岐点が先行スパン2の位置になるのです。 下の図は52日間の上昇トレンドの後の先行スパン2の位置が緑の〇です。 上昇から下降の部分が予測です。先行スパン2の先に向けて(表の中では薄紫の線です)線を引いておけば、価格が下げに入ってきても先行スパン2から離れていけばこの下げが押し目であると判断できます。 万が一この予測通りに価格が動かなくても、先行スパン2の位置で無条件で決済すると決めておけばマイナストレードを避けることができます。 では、逆のパターンです。 52日間の下降トレンドで、売りエントリーしています。ところが、価格が上昇し始めました。さて、どうしたらいいのでしょうか? その心配をしなくていいように先行スパン2の位置まで線を引いてみます。半値の位置です。 でこの時点が26日後です。これを目安に値が動くと予測します。 もちろん実際の値動きはこの通りにならないことも多々あります。ただ、こうすることで今後の動きを予測する癖がつきます。 では実際のチャートを見てみましょう。 52日間の大きな下げ相場がありました。その時に先行スパン2に向けて線を引きます。予測ですね。 その後の値動きは予測の線より上の位置で推移しています。これは買いの勢力が強いことを示しています。26日目が近づいてきて予測の線上に値動きが戻るものの、最終的には先行スパンで跳ね返されることなく突き抜けています。これによってトレンドが完全に転換です。 ちなみにこのケースだと、三役好転となりますね。 ここには表示されていませんが、すでに均衡表は好転していると予想されます。遅行スパンもろうそく足を抜けているでしょう。 ただ、先行スパン2で上のケースは抜けていますが、ここで跳ね返されてさらに大きな下げ相場となることも予想できるので注意です。 52日間がもみ合いだった場合についてです。 もうおなじみですが、もみ合い相場の場合は通常とは違う考え方です。 52日間のもみ合い相場だった場合、先行スパン2はもみ合い相場の相場水準である中心値を示します。 もみ合い相場は中心値を軸に上がったり下がったりを繰り返す相場とも言えます。 中心値からどんどん離れていくとトレンドが形成され、少し離れては中心値に戻ってくるのがもみ合い相場です。 52日間のもみ合い相場がもしその後も継続するなら26日後もその中心値(=先行スパン2)の近辺に価格がとどまっているはずです。そこからどんどん離れていくのであれば、もみ合いが終わったことを示します。 上の図だと、上昇相場があった後、もみ合いに突入しています。その時の先行スパン2の位置が緑の〇です。先行スパン2はもみ合い相場のため横ばいが続いています。52日間以上長期でもみ合いが続いている状況です。 一時的に上下しても先行スパン2に向けて値段が戻ってきていますね。このパターンだともみ合い相場がまだ続きそうな気配です。 次は、もみ合い放れのケースです。 同様に上昇相場の後、もみ合いに突入し52日間もみ合いが続いています。ところが、値動きを追いかけていくと価格の下降が先行スパン2に向かって戻らずに下抜けています。 よく見ると、一旦中心値に戻った価格は上に跳ね返され、それでもやはり下抜けています。 これは、一目均衡表の各線はサポートラインであり、レジスタンスラインであり、そして半値(相場水準)であるということがよくわかる例です。 先行スパン2を26日間前にずらす理由はこれで理解できたと思います。 今まで先行スパン1以外を説明してきましたが、先行スパン1が今までで一番難しい線かもしれません。 先行スパン1= ( 基準線 + 転換線 ) ÷ 2 ※上記計算式で計算された数値を本日を含めて26日将来に描画。 何度も書いていますが、一目均衡表は週足・月足から5分足、15分足など長期でも、短期でも使うことができます。なので、正確には26本将来に描くということです。 基準線と転換線を足して2で割った線が何を示しているのか?を考えてみましょう。 まずは、表で先行スパン1と2の動きを検証してみます。 上の表は、価格の線と、先行スパン1,2です。 先行スパン2は価格が底を打ってから26日目に価格と交わります。 52日間の下降トレンドの半値戻しの価格に、そこから26日で到達する位置でした。 それに対して、先行スパン1は価格が底を打ってから、17日目と18日目の間で価格と交わっています。 52÷3≒17.5 ということで、先行スパン1は長期の下げ相場に対する三分の1の戻しの位置にあたります。 上の図の通り、価格が天井を打ってから26日目に先行スパン2と交わります。それに対して、天井を打ってから17.5日で先行スパン1と価格が交わります。 先行スパン1は長期(52日間)の上げ相場に対する1/3の押しの位置にあるということです。これは先行スパン1のところで価格が跳ね返りやすいということを意味します。 もちろんこの動きは、安定した下降、安定した上昇という一番基本の動きです。すべてのパターンにこれが該当するわけではありません。 この基本の図を見ると、通常のチャートでは線がそれぞれに動いているように見えますが、基本はすべての線が価格の動きに平行に動いていることがわかります。 違いは、価格に平行に動くのが早いのか遅いかです。基本的にそれぞれの線がどれだけ遅れて価格についてくるかを把握していることも大切です。 転換線・・・・5日間価格に遅れて平行に上昇する 基準線・・・・約14日価格に遅れて平行に上昇する 先行スパン1・約34日価格に遅れて平行に上昇する 先行スパン2・約52日価格に遅れて平行に上昇する 遅行スパン・・常に価格の26日前を平行に上昇する 雲を見ていると膨らんだり、縮まったりいろいろな動きがあるように見えますが、基本的には上昇トレンドの時には一定間隔で帯状に上昇、下降トレンドの時は一定間隔で帯状に下降します。 間隔が変化するのは、トレンドの転換の時だけです。 帯状で上昇、下降するはずの雲が膨らんだり狭まったりするということは、価格が安定して上昇・下降していないということを示します。 では、先行スパン1は何を表す線なの?ということですが、今まで出てきた遅行スパン以外の線は、すべて半値を表す線でした。半値は中心値とも言い、それを相場水準と呼ぶというのは前に出てきましたね。 転換線が短期(9日間)の相場水準を表し、基準線が中期(26日間)の相場水準を表しているので、その二つを足して2で割った先行スパン1は短中期の相場水準を表していると思えばいいのです。 短中期?ってなんだ?というと17.5日です。 短中期(17.5日間)の相場水準を表し、短中期のトレンドを表しているのが先行スパン1です。 そして先行スパン1は26日先に描かれます。26日後の価格とその線を比較しようということです。 短中期というのはわかりづらいし、短期相場水準、中期相場水準が基準線と転換線で表されているので、そのまま26日先にずらして先行スパンを3本にしてもいいのではないか?と思いませんか? 実は、わざわざこの線を引かなくても、一目均衡表の中にはすでにこの線があるんです。 先行スパン1.2にむけて作図の線を引いて、今後の値動きを予測します。 下の図は線を減らして見やすくしています。 遅行スパンは、現在の価格を26日過去にずらして描いたものでした。ずらしただけなので価格と同じです。 遅行スパンを過去にずらしてないと考えて価格と見立てると、転換線と基準線、ろうそく足を26日先にずらして描いたことになります。26日将来に描いた転換線・基準線と見ることができるのです。 遅行スパンから転換線・基準線に向けて線を引くと、現在の価格が26日後に短期の相場水準・中期の相場水準に向かって動くとしたらどう動くかがわかります。それを実際の動きを比較して予測できるのです。 ろうそく足の先から先行スパン1・2に向けて線を引き、遅行スパンの位置から転換線・基準線に向けて線を引きます。これが予測線です。そしてその後価格がそれぞれの線に対してどう動くかを分析します。 通常は、この予測は、トレンドが転換した可能性があるところから引きます。トレンド転換が本物か、一時的なものかを分析するためです。 上の図を修正して実際の予測の線を引いてみましょう。 このチャートでは典型的な上昇トレンドが続いていました。 ろうそく足の頂点、遅行スパンの頂点から先行スパン1・2、転換線・基準線に向けて線を引きます。 このケースでは、現時点では価格の動きは頂点から先行スパン2向けた線よりもかなり下にあります。急激な下げ相場です。しかし通常、転換線から大きく離れた価格は修正が入ります。その時に、この下げが一時的な下げなのか、下げ幅を調整しながらさらに下がるのかなどがわかってきます。 かなり一目均衡表について理解が深まりましたね。 本当に長いので、ここまでついてきてくれた方、ありがとうございます! 「グッジョブ!👍」 さらに先行スパン1・2に囲まれた雲について詳しく見ていきましょう。 雲に入っていく前に、まず一目均衡表の各線のおさらいです。 それぞれの線は、短期・中期・長期の売りと買いの力関係であり、均衡点を示します。 転換線、基準線、先行スパン2は中心値である相場水準を表します。 期間は、短期が9日(本)、中期が26日(本)、長期が52日(本)です。 その数字にも意味があり、週足でいえば、9週は2か月、26週は半年、52週は1年を表します。 そう、やはり雲も相場水準である中心値を示す線です。となれば、抵抗線であり、支持線でもあるということです。 2. なぜ価格が雲に近づくと跳ね返されやすいの? 上の図を見ると価格が雲に跳ね返されているのがわかりやすいと思います。そしてほとんどが雲の先行スパン1に跳ね返されているのがわかります。 先行スパン1と2の動きをよく見ると、価格がある程度上昇すると先行スパン1が雲の上の線になり、価格がある程度下降すると先行スパン1が雲の下の線になっているのがわかります。 先に価格の上昇・下降に反応するのは先行スパン1で遅れて反応するのが先行スパン2というわけです。 つまり、上昇していた相場が向きを変えて雲とぶつかる、下降していた相場が向きを変えて雲とぶつかるというのは、ほとんどのケースで先行スパン1とぶつかると考えて間違いありません。 では、そうでないケースは? それは、もみ合い相場が続いた時です。 上の図のように上がったり下がったりを短期間で繰り返せば、先行スパン1と2が正しく位置を変える前に価格が雲とぶつかってしまうのです。 基本的には価格が雲と最初にぶつかるのは先行スパン1、価格が雲を抜けるのは先行スパン2と覚えましょう。 先行スパン1に価格がぶつかるときは、およそ3分の1押し(戻し)の位置になります。 前に出てきた下の表で確認しましたね。 長期(52日間)の上昇の半値押しにあたるのが先行スパン2です。これは、トレンドを保つ最後の砦といってもいい場所です。だから抵抗が強いのです。先行スパン1は およそ3分の1の押しの位置で、上昇が強いときはここで跳ね返される、そうでもないと打ち破られるわけです。 トレンドが勢いをなくし、先行スパン1を抜けたとしても先行スパン2は半値押し(戻し)という買い、売りの最大攻防ラインです。ということはここに大きな抵抗があるということです。簡単に打ち破られないので、結果的に雲の中でもみ合うことになります。 価格が向きを変えて雲に接近するとまずトレンドの押し目、戻しとなりやすい位置。だからそこで跳ね返されやすい。 もちろん、もみ合い相場の時は別で、もみ合い相場の時には一目均衡表の各線はもみ合いの中心を示します。 もみ合い相場では先行スパン1は抵抗にはなりません。線がもみ合いの中心なら、価格はその線の上に行ったり下に行ったりを繰り返します。ということはその線を簡単に通過するということです。 先行スパン2は長期の半値押し(戻し)ラインです。その抵抗線・支持線である先行スパン2を突破すると、大きく流れが逆転してしまうので、価格がそちらの方へ動きやすくなるのです。 またおさらいです。 トレンドがあるときは、一目均衡表の各線は押し目の限界を示します。もみ合い相場の時は、一目均衡表の各線は次第に接近し、もみ合いの中心を示します。(遅行スパンは一つだけ種類の違う線なので除きます。) もみ合いかもみ合いでないかを識別するかがとても重要ですと何度も言っていますね。 基本線の勾配で中期トレンドでのもみあいがわかります。先行スパン2では長期のもみ合い、転換線が短期のもみ合いです。その3本の線で見るのが必要ですが、一番大切なのは基準線です。 短期のトレンドではトレンドが小さすぎてなかなか難しく、長期のトレンドはあまり頻繁にないからです。 一般的にトレードで利益が上げられるのは中期トレンドだと思います。基準線は中期トレンドを示す線。ここでいう短期・中期・長期というのは、日足であっても5分足でも同様です。 それ以外の特徴は、もみ合いの際には各線がどんどんくっついていきます。遅行スパンは別ですが、それでもトレンドがあるときよりは接近しています。その中で横ばいの線を見つければそこがもみ合いの中心です。先行スパン1・2は前にずれているので、頭の中でずらしてみてください。 上の図はトレンド時です。明らかに線と線が間隔がもみ合い時と比べて広くなっているのがわかります。 雲が分厚いと価格が跳ね返されやすく、薄いと簡単に突き抜けるとよく言われます。 これがどういう状況か考えてみましょう。 先行スパン1・2が離れていれば雲が厚く、先行スパン1・2が近ければ雲が薄いといわれる状況です。 であれば、もみ合い状態だと2つの線はくっついて、トレンドができると離れていきます。ただし、26日前の状態というのは忘れないでください。 なので、現時点で雲が厚ければ26日前にトレンドがあり、薄ければ26日前にもみ合いだったわけです。 1つづつ見ていきましょう。 雲が薄い状態が続いているとします。それは26日前までトレンドがない状態があったということです。そこで価格がたまたま雲の上にあって、そこから雲に向けて価格が下がってきたら雲は抵抗帯になるでしょうか? 答えはNOです。 もみ合いが続くと雲は価格の上になったり下になったり入れ替わります。 抵抗帯として働くのはある時期上昇相場があって、価格は雲の上の推移している状態の時です。上昇相場が下げだしたところで雲にぶつかってまず先行スパン1が支持線となり、続いて先行スパン2が支持線となります。 なのでどちらかで跳ね返りやすいのです。 もみ合いの状況で作られた雲は突き抜けて当たり前なんです。トレンドがあって反転した時だけ、雲は抵抗帯として働きます。 雲のねじれとはどういうことでしょうか? 先行スパン1と先行スパン2がクロスするのが雲のねじれです。これが何を意味するのか考えていきましょう。 先行スパン2は52日間の半値(相場水準)です。先行スパン1は26日間の半値と9日間の半値でしたね。 前にやった均衡表の好転・逆転を思い出してください。 転換線と基準線が交わったらトレンドの転換でした。 転換線(9日間の半値)が基準線(26日間の半値)の上に来れば上昇トレンドで、転換線が基準線の下に来れば下降トレンドです。この2つの線のクロスが、トレンドの転換を意味します。 この関係と同じく先行スパン1と2を考えてみます。 例えばですが、「長期的な上昇トレンドで、中期的には下降トレンド、短期的には上昇トレンド」ということがあります。 つまり、どの期間のトレンドを探すかで見る線が変わってくるんです。転換線と基準線のクロスは中期トレンドの変化を見るために使い、先行スパン1と2のクロスは長期トレンドの変化を見るために使うのです。 一般的に雲のねじれと呼ばれていますが、これも単なる雲のねじれではなく先行スパン1が先行スパン2を上抜けば「雲の好転」、先行スパン1が先行スパン2を下抜けば「雲の逆転」となるわけです。 雲の好転で上昇トレンドへ、雲の逆転で下降トレンドに長期トレンドが切り替わります。 重要なのは、それが書かれているのが26日先なので、転換が起こったのは雲のねじれが書かれている日ではなくてその26日前ということです。 終値を26日過去にずらして描く ※26日は本日を含めて26日。 計算と言っていいのか?(笑)あえて言うなら26日過去にずらすです。 一目均衡表の作者は、この遅行スパンがとても重要だと言っています。 なぜあえて26日間ずらすんでしょうか? 中途半端な数字に感じませんか? いつも計算式についている注意書きには、必ず本日を含めた日数とされています。ということは、実は遅行スパンをずらすのは25日後ろにずらしているんです。 そして、先行スパン1・2も25日間将来にずらしています。 【遅行スパンと価格と先行スパンの関係】 価格の25日後に遅行スパン 先行スパンは遅行スパンの50日後 実は26日というのは、以外にきりのいい数だったことがわかります。 本来遅行スパンは、25日前の価格と現在の価格を比較するためにあります。 価格線の側から言えば、25日後の価格との比較ということになります。 遅行スパンが価格より上にあれば、その時に買った人は25日後に儲かっているということです。逆に売っている人は損をしています。 遅行スパンが価格より下にあれば、その時に買った人は25日後に損をしています。逆に売っている人は儲かっています。 このことから、遅行スパンが価格の上にある時期が買いが優勢な時期、遅行スパンが価格の下にある時期が売りが優勢な時期となるのはわかりますね。 聞いたことのある方も多いはずの遅行スパンの好転と逆転についてです。 【遅行スパンの好転・逆転】 遅行スパンの好転・・・遅行スパンが価格線を下から上にクロスする。買いサインのひとつ。 遅行スパンの逆転・・・遅行スパンが価格線を上から下にクロスする。売りサインのひとつ。 ※価格線とはローソク足のこと ここでおさらいです。 三役好転とは? 均衡表の好転・・・転換線が基準線を上抜くこと 遅行スパンの好転・遅行スパンが価格線を上抜くこと 三役好転・・・・・上記2点とさらに価格が雲を上抜けること 三役逆転とは? 均衡表の逆転・・・・転換線が基準線を下抜けること 遅行スパンの逆転・・遅行スパンが価格線を下抜けること 三役逆転・・・・・・上記2点とさらに価格が雲を下抜けること この二つは最大の買いサイン、売りサインです。 が、シグナルとしては遅いサインであることも頭に入れておいてください。 上記表からわかるように、価格が底打ちしてからしばらくたたないと三役好転はしません。 さらに理解をしてほしいのは好転の順序です。 相場の展開によってはこの順番は入れ替わりますが、基本的な順番は覚えておきましょう。 価格が底を打って上昇が始まると、均衡表の好転があり、遅行スパンの好転があり、最後に価格が雲を抜けて三役好転です。 この順番が入れ替わるということは、安定した相場展開と違うということです。 さらに、底打ちからどれくらいの時間経過でそれが起こるのが基本なのかということも覚えておくべきです。 ① 均衡表の好転 ② 遅行スパンの好転・・・均衡表の好転からすぐ ③ 価格の雲の上抜け・・・遅行スパンが好転してからある程度経過してから起こる 均衡表の好転逆転で買い時・売り時を識別した場合 この均衡表のシグナル通りに売り買いしていればかなり儲かっているチャートです。 次は遅行スパンの好転逆転をもとに買い時売り時を識別した表です。 はい、この表を見て何か気が付かれましたか?これだと同じチャートなのに、あまり儲かりませんよね(笑) 売り時代に入った時点で売ると価格がさらに上がり、買い時代の時点で買うとさらにチャートが下がって損をします。 ここで大事なことをひとつ。 遅行スパンが好転するのは、チャート上で遅行スパンと価格線がクロスした箇所の25日先ということ。 遅行スパンのシグナルはとても大切ですが、チャート上に現れたのと、実際に起こった日にずれがあります。分析するときに間違いやすいので注意。 下が正解です。 均衡表の好転・逆転の表と遅行スパンの好転の表を比較するとほとんど同時期にサインが出ているところがあります。そして、両方がほぼ同じ位置でサインを出しているところはよく当たっています。 逆にずれが生じている場合は、だましが発生しています。 遅行スパンは25日前の価格と現在の価格を比較したものです。 価格に対して遅行スパンが上にあるか下にあるかによって今が買い時期なのか、売り時期なのかが識別できます。 価格の上にあった場合は、価格との幅の広がりもポイントです。広がっていけば基調がさらに継続する可能性が高く狭くなれば、好転・逆転につながると判断できます。 もみ合い相場であれば、買い売りが小刻みに入れ替わります。 一目均衡表を極めるために大切な遅行スパン。しっかりついてきてください。 もう一度、遅行スパンの計算式を確認しましょう。 遅行スパンは終値を26日前にずらした線です。当日を入れなければ、25日です。 『遅行スパンは終値を25日過去にずらして描いたもの』です。 一目均衡表以外に何日か前の価格と現在の価格を比較するテクニカル分析はほかにあるでしょうか? 答えは、モメンタム(MOMENTUM)です。 聞いたことがあるかもしれませんね。 モメンタムという言葉には、勢いという意味があります。相場の勢いを測るテクニカル指標です。 計算式は モメンタム=当日の終値―N日前の終値 そして、Nに入る値によく使われるのは、10や25です。 そうです。遅行スパンと価格線の差と同じなんです。 モメンタムの指標の見方は、『ゼロラインを越えたら買い、ゼロラインを割り込んだら売り』です。 これは、遅行スパンが好転したということ=ゼロラインを超えること、遅行スパンが逆行したということ=ゼロラインを割れこむことです。 遅行スパンはモメンタムそのもので見方も同じなんです。 日本で考えられたものと、世界のどこかで考えられたものが同じ考え方なんです。そう思うと人間ってみんな同じなんだな、と思います。 一目山人は遅行スパンをいろいろな数値でずらして検証をしていたそうです。 実は、一目均衡表はとてもシンプルな考え方でできていて、過去一定期間に、その期間の半値がどの位置か、それがどう推移するかを見る、そしてもう一つは、何日前、何日後の価格と現在の価格を比較する、という2つのロジックでできています。 もうひとつ一目均衡表に似ているテクニカル分析が、移動平均線です。 移動平均線でよく使われるのは、25日移動線。25日移動平均線と遅行スパンは、よく似ているのです。 移動平均線の計算式は平均値を出しているので、一見全く異なるもののように思えますが、移動平均線が上昇、下降するかは今日の価格と消えていく一番古い25日前の価格の関係で決まります。 今日の価格と消えていく25日前の価格を比べて今日の価格が大きければ上昇し、小さければ下降します。遅行スパンが25日前の価格と今日の価格を比べているのと同じ考え方です。 多くのテクニカル分析を学ぶと、異なるように見えて同じ考えで成り立っているものに出会います。その共通する考え方に多く出会えば出会うほど、その考え方は価格分析の上で重要だということがわかります。 例えば、25日という数字がテクニカル分析において頻繁にみられますが、売買のポジションを持った人がいつクローズするかを集計してみるとエントリーから25日後というのが統計的に大きな集団になっていたりします。 価格線=ローソク足です。 下の図では終わりの折れ線グラフで価格を表示しています。 こうやって見ると全く同じものだというのがわかりやすいですね。 価格を25日過去にずらしたものが遅行スパンです。 先行スパン1と同じように遅行スパンも二通りの使い方ができます。 一目均衡表を普通に見ると、 転換線=9日間の高値と安値の半値 基準線=26日間の高値と基準線の半値 先行スパン1=転換線と基準線の半値を※25日将来に描いたもの 先行スパン2=52日間の高値と安値の半値を※25日将来に描いたもの ※あえて25日としています。本日を含む26日間と同意です。 ところが遅行スパンを基準にすると 転換線=9日間の高値と安値の半値を25日将来に描いたもの 基準線=26日間の高値と安値の半値を25日将来に描いたもの 先行スパン1=転換線と基準線の半値を50日将来に描いたもの 先行スパン2=52日間の高値と安値の半値を50日将来に描いたもの となります。 ここでの遅行スパンと各線の関係について考えてみましょう。 遅行スパンから見て各線がどのような意味を持つかというと、 遅行スパンと転換線の関係 ・・・現在の価格と25日前の短期の相場水準とを比較している。 遅行スパンと基準線の関係 ・・・現在の価格と25日前の中期の相場水準を比較している。 遅行スパンと先行スパン2の関係 ・・・現在の価格と50日前の長期の相場水準を比較している。 何のためにこの比較をするのか?です。 過去の相場水準と現在の価格を比較して、現在どういうトレンドかというのを分析するためです。 例えば、転換線と遅行スパンを比較して遅行スパンのほうが上にあれば、短期の相場水準が切りあがっているということです。そうなれば短期トレンドは上昇と分かります。基準線と遅行スパンを比較して遅行スパンのほうが上にあれば、中期トレンドが上昇中と分かります。 遅行スパンを使って予測をすることについて説明します。 前もやりましたが予測の際には、上の図のように価格線の線から先行スパン2に向けて線を引けば、半値押しのルートがわかります。その予測の線と実際の値動きを比較するというのが、一目均衡表分析の予測という分析法です。この線を予測線1とします。 同様に遅行スパンから先行スパン2に向けて引く予測の線は、長期(52日間)の半値に50日後(本日を入れると51日後)にたどり着く位置になります。これを予測線2としましょう。 この線を引いたらその後の価格の推移を見守ります。価格が予測線1の上を推移していたらこれは25日後に半値押しになるパターンと考えられます。その後の遅行スパンが予測線2の上を推移していたら、これは50日後に半値押しになるパターンと考えます。 それぞれの予測線と実際の値動きを見ることにより様々な状況分析ができるのです。 下の図を見てください。なんだろう?というのが正直なところだと思います。 一目均衡表のチャートに縦に線を引いてみます。普通のチャートなら縦線は時間軸でライン上に並ぶのは同じ日の同じデータとなります。ところが一目均衡表は同じ縦線の中に実は様々な時間軸が混在しています。 その日の価格と5つのデータ(転換線・基準線・先行スパン1・2・遅行スパン)が縦の線の中に混在しています。 これに気づいたら達人になれる!((笑)わざわざ縦に並べているのはこれを比較しなさいということです。比較分析、すなわちテクニカル分析です。 これは、ある日の白金のチャートです。 始値4351高値4431安値4346終値4425 一目の各数値は上から 先行スパン1 4763 遅行スパン4675 基準線4629 先行スパン2 4536 転換線4455 このデータから一目の達人であれば下記の値動きを読み取ることができます。 で、こちらが実際のチャートです。 ほぼ同じに仕上がっていますね。 先ほどのこの図を理解できていれば、1日の各線の位置を把握しただけで100日間の値動きがつかめるようになるということです。逆に言えば、一目均衡表の1日にこれだけの情報量が詰まっているわけです。 種明かしをしましょう。 まずは、遅行スパンを見ます。 遅行スパンの位置は実際には、26日将来の価格です。だから26日後の価格はここからわかります。 次に転換線の位置です。過去9日間の半値なので、今日の安値と比べて転換線の位置が半値になるような高値が9日中にあるということがわかります。 転換線が半値になるような高値を探して9日の範囲でそこへ線を引いたわけです。 基準線も同じです。過去26日間の半値なので本日の安値と比較して基準線の位置が半値になるような高値が26日の中にあるということがわかります。 先行スパン2は基準線の一番手前のところから52日間という期間を見てその間の半値が先行スパン2になります。 先行スパン1は9日間の半値と26日間の半値の中間です。大体17.5日の半値です。だから1705日間の期間で先行スパン1が半値になるように線を引きます。 これでさっき引いた線と調整すれば、全体像の出来上がりです。 もちろん正確にすべてがわかるわけではありませんが、大雑把に100日がどういう動きだったかは想像がつきます。この情報の中で一番確実なのは遅行スパンですね。 いよいよ今まで学んだすべてを使った総まとめです。 上昇トレンドがどんどん続いていくと、最終的に価格と一目均衡表の5つの線の並び順は上から価格転換線・基準線・先行スパン1・先行スパン2となります。 正しくは遅行スパンが一番上なのですが、今日の価格のところには表示されないのでここには 含みません。 この並び順を「上昇トレンドの完成形」と呼びます。 下降トレンドが続くと最終的には下から価格・転換線・基準線・先行スパン1・先行スパン2という並び順になります。 この並びを「下降トレンドの完成形」と言います。 どのチャートでもある時期は「買いの完成形」が現れ、ある時期は「売りの完成形」が現れます。価格の動きは「買いの完成形」から「売りの完成形」、「買いの完成形」への変化の繰り返しだととらえることができます。 細かく言えば、買いから売りに転じて動き出して途中で再度買いの完成形に戻ることなどがあると思われるかもしれませんが、大きな流れでチャートを見れば売りの次は買いそれからまた売りという形を繰り返しています。 下の図は何度か出てきた一目均衡表基本図です。白い太めの線が価格です。安定上昇・安定下降を繰り返す基本的な価格変動を仮定しその時に各線がどのように動くかをシュミレーションしたものです。 売りの完成形が出来上がり、そこからは価格が下がれば並び順は同じままです。しかし売り時代もやがて終わり海時代へと変化していきます。その変化の過程を以下で示しています。 ①価格が転換線を上抜ける ②価格が基準線を上抜ける ③転換線が基準線を上抜ける(均衡表の好転) ④遅行スパンが価格線を上抜ける(遅行スパンの好転) ⑤価格が雲に突入 ⑥先行スパン1が先行スパン2を上抜ける(雲のねじれ) ⑦価格が雲を突き抜ける(三役好転) ⑧転換線が雲を突き抜ける ⑨基準線が雲を突き抜ける ➉線の並び順が買い方の完成形になる 上から価格・転換線・基準線・先行スパン1・先行スパン2となる 買い時期に入れば、この並び順はそのまま継続します。買いの時期が終わり売り時期へ移り始めると、変化していきます。 ①価格が転換線を下抜ける ②価格が基準線を下抜ける ③転換線が基準線を下抜ける(均衡表の逆転) ④遅行スパンが価格線を下抜ける(遅行スパンの逆転) ⑤価格が雲に突入 ⑥先行スパン1が先行スパン2を下に突き抜ける(三役逆転) ⑦価格が雲を下に突き抜ける ⑧転換線が雲を下に突き抜ける ⑨基準線が雲を下に突き抜ける ➉線の並び順が売りの完成形になる 下から価格・転換線・基準線・先行スパン1・先行スパン2となる これはあくまで典型的な基本のパターンです。すべてがこれに当てはまるわけではなく、実際には押し目。戻し、もみ合いなどが入ってきて順番が変わってきます。 ただし、この正しい順番を理解しておけば、トレンドの強さが自然にわかるようになります。 ① 【序盤】価格が転換線を上抜ける 今まで強い売りだったトレンドが、短期的に買いが優勢に変わったのがわかります。ただし、ここではまだ売りの勢力を維持していると考えられます。価格と転換線はしょっちゅうクロスをしていて、一度クロスしてもすぐに元に戻ることもよくあるからです。 基本線が抵抗線となります。序盤、小競り合いという認識です。 買いを仕掛けるのであれば、まだ早すぎます。 ②【中盤戦開始】価格線が基準線を上抜ける 短期から中期まで買い優勢に変わったということです。売りの勢力がかなり弱くなってきているのがわかります。ここで損切を検討し始める時期です。 買いを仕掛けるのを検討する時期ですが、まだ仕掛けるとしたら早い時点です。試しくらいにとどめるのが賢明でしょう。 ③【中盤戦真っ最中】均衡表の好転 ここがトレンドが下降から上昇トレンドへと変化したというサインです。売りを手仕舞う時点であり、買いを仕掛ける時期です。 ただし、少し早めの時期ではあるので、騙しには気を付けましょう。 もみ合い相場中の均衡表の好転は、参考程度で売買シグナルとするべきではありません。 ④【中盤戦決戦】遅行スパンの逆転 この時点で買いと売りが逆転です。買い勢力は勢いをつけ、売り勢力はほぼ消滅の状況です。この②③④が順調にいけばあっという間に連続して起こりますが、なかなか決着がつかなければもみ合いへと入っていきます。 基本的な考え方は、③の時点で仕掛けて④が起これ仕掛け成功、③で仕掛けて④の遅行スパンが好転してこない場合は騙しの可能性が高いので、損する前に決済というような感じです。 ⑤【本番突入】価格が雲に突入 上昇トレンドへ本格的に入り最初の抵抗線を打ち破った段階です。このスパン1で跳ね返されることがよくあります。 ⑥【本番中盤】雲のねじれ この雲のねじれは、価格が雲の中にいるときによく起こります。もちろん例外もありますが、通常の値動きの時、26日先に描かれた雲がねじれるとき価格は雲の中にいることが多いのです。 ⑦【本番決戦】価格が雲を突き抜ける ここで戦いを制した感じですね。三役好転です。 完全に上昇トレンドですが、実際にトレードをしていく中では、ここで買いを仕掛けるにはすでに遅いなと感じられると思います。 なぜなら、ここで買いが強く優勢になったというサインですが、同時にトレンドの終盤に差し掛かっている可能性もあるからです。そして、同時にここから大相場に発展する可能性もあるということです。 ではここで買いポジションをすでに持っていたとしたら、どうでしょう。私なら持ち続けます。 そして万が一この時点で売りポジションをここで持っていたとしたら、もう間違いなく損切をしなくてはならないポイントです。 下の実際のチャートは大相場に突入したわかりやすい例です。 上昇トレンドから下降トレンドへの変化は、この逆のパターンになるのはわかりますね。 必ず覚えていてほしいのは、価格が底を打って上昇に転じるときにはすんなりと上がってはこないということです。 「天井3日底100日」 とよく言うのですが、底では底練りという状態があります。 大きなトレンド転換であればあるほど、次のトレンドに移るための準備期間が必要になるのです。底を打ってすぐに上昇とはなりません。 一目均衡表を使って買い場を探すとすれば、準備構成を終えて上昇しつつあるチャートを探すことなのです。 準備構成とは? 底から数えて26日を基本とし、17、33、42日などの基本数値になりやすいのですが、そこから上昇していた価格が一度下落し、前回の安値を下回ることなく底打ち(W底もしくはトリプル底)を形成し、上昇し始めることを言います。 底打ちから這い上がってくるのには大きなエネルギーが必要です。その準備期間が準備構成と呼ばれます。 では天井ではどうなるかというと、上昇相場は積み上げていくのに対して、下降相場は崩れていくイメージです。崩れるのは一瞬なので、基本的には準備構成はありません。ただし、時折似たような形を示すこともあります。 やはり名前も基準線なので基準になる線なのですが、基準線でトレンドを見ます。中期トレンドですね。ここで今トレンドがあるのかないのかを見極めます。 今まで一通り見てきた一目均衡表のシグナルはすべてトレンドあるときにのみ当てはまります。トレンドがなければ通用しません。 なのでもみ合い相場の時に三役好転を見つけて雲が抜けたなんて言っても何の役にも立ちません。 下の図は典型的なもみ合い相場です。遅行スパン以外の線がすべて横ばいになりくっついていきます。もみ合い相場はさておき、次に進みます。 次に見るのが遅行スパンです。何を見るのかというと、遅行スパンと価格線の位置です。 遅行スパンが価格より上にあれば、25日前に買った人は利益、逆に下にあれば25日前に買った人は損失です。 それと同時に、損失なら損失、利益なら利益でその額が増えてきているのか減ってきているのかを認識します。その額が損失から利益に変わるのが遅行スパンの逆転、その額が利益から損失に変わるのが遅行スパンの逆転です。 先ほどの相場の表を参照してください。 ①価格が転換線を上抜ける ②価格が基準線を上抜ける ③転換線が基準線を上抜ける(均衡表の好転) ④遅行スパンが価格線を上抜ける(遅行スパンの好転) ⑤価格が雲に突入 ⑥先行スパン1が先行スパン2を上抜ける(雲のねじれ) ⑦価格が雲を突き抜ける(三役好転) ⑧転換線が雲を突き抜ける ⑨基準線が雲を突き抜ける ➉線の並び順が買い方の完成形になる 上から価格・転換線・基準線・先行スパン1・先行スパン2となる 買い時期に入れば、この並び順は変わりません。買いの時期が終わり売りに変化していきます。 ①価格が転換線を下抜ける ②価格が基準線を下抜ける ③転換線が基準線を下抜ける(均衡表の逆転) ④遅行スパンが価格線を下抜ける(遅行スパンの逆転) ⑤価格が雲に突入 ⑥先行スパン1が先行スパン2を下に突き抜ける(三役逆転) ⑦価格が雲を下に突き抜ける ⑧転換線が雲を下に突き抜ける ⑨基準線が雲を下に突き抜ける ➉線の並び順が売りの完成形になる 下から価格・転換線・基準線・先行スパン1・先行スパン2となる トレンドがしっかりしていれば、上記の順番で動きます。上記の順番通りでなければないほど、トレンドが不安定ということです。①から➉へ向かって進行するはずが④まで来てまた②に戻ると言うこともよくあります。それによってもトレンドの勢いがわかるのです。 下降トレンドから上昇トレンドに切り替わるときに、一気に下降トレンドが上昇トレンドに切り替わることはめったにありません。 なぜならば、下げを必死でこらえている買い手がいるからです。買い手は、値段が少し回復すれば、ポジションを手仕舞います。その売りが消化されるまではなかなか本格的な上昇に移ることがありません。 価格変動を大きな流れでとらえると買いの完成形から売りの完成形そこから買いの完成形へとその繰り返しで、その変化の過程で反転したり、なかなか動かなかったりということがあります。それが、押し目や戻し、もみ合い相場というわけです。 ポイントは、買いの完成形、売りの完成形が長く続くのが大相場ということ。 なので買いの完成形や売りの完成形になったからと言ってすぐに手じまいしない。そこからがおいしい部分となるからです。 「均衡表が好転したから買い」とか売買シグナルの一つだけを切り取ってみるのではなく、段階を追ってトレンドの変化を把握して、「買い勢力が優勢になったので買う」という考え方です。 次は予測をします。 価格から先行スパン2へ向けて線を引きましたよね。 ただし、いつ引いても意味があるわけではありません。 まずは、過去52日間のうごきが 大きな流れで上昇なのか、下降なのかを見極めます。52日間もみ合いが続いているときに線を引いても意味がありません。 下の表のように大勢が上昇だったとして、トレンド転換かも?という動きが出てきたら線を引きます。 何のために線を引くのか?というと、下は、年間のある会社の収益の推移のグラフです。 で、目標の数値を入れた線を引くと。 6月以降収益状況が悪化して目標から離れてきて、その後の巻き返しも追いつかず、年末に撃沈しているのがわかります。 このグラフを見た株主が株を売ってしまうのも分かりますよね? 先行スパン2に向けて引く線は、上昇トレンドが終了し、下降トレンドへ変化しつつあるとしたらの境界線を示す線です。その線を下回ったら下降トレンドへの移行が優勢、境界線の上にあったら押し目かな?という見方です。 5. もみ合い相場で使う均衡表 一般的にトレンド系のテクニカル指標はもみ合い時に弱いという特徴があります。でも、一目均衡表には、もみ合い相場での見方があります。 もみ合い時には、遅行スパン以外の線がすべてくっついていきます。 その中でも完全な横ばいになるのが、基準線と先行スパン2です。転換線は基準線を中心にした細かい上下を繰り返し、先行スパン1も同様に先行スパン2を中心に細かい上家を繰り返します。 つまり、もみ合いの中心を示すのは、基準線と先行スパン2ということです。 まずは、基準線が横ばいになり、続いて先行スパン2が横ばいになります。そうなると、長期のもみ合い相場が続いていることを示しています。長く続くと、ほぼ基準線と先行スパン2は同じ価格で横ばいになることが多いのです。 これは、買い勢力、売り勢力の均衡状態を示します。 ところが、2本横ばいでも位置が微妙に違うことがあります。 これは、長期トレンドのもみ合いと短期トレンドのもみ合いの中心が違うけれどももみ合い相場で、相場水準を変えながらもみ合っている状況です。これももみ合い離れの予兆となります。 基準線はもみ合いの中心を示すので、転換線が中心より上がった分だけその後下がり、下がった分だけその後上がるというのがもみ合い継続の条件となります。 この状態であれば、もみ合いの上限で売り、下限で買えばよいということです。 更には、もみ合い離れをいち早く見つければ、大きく利益を取りに行くことができます。 もみ合い相場が長ければ長いほど、放たれた時のトレンドは大きくなるといわれています。 下の図は、わかりやすくするために転換線と基準線のみが描かれています。 基準線がもみ合いの中心になっているのがわかります。 そして、基準線を中心に価格が上下しています。 ところがもみ合い放れの直前にはそれが崩れています。上がっただけ下がらない、その場合は上放れの予兆、下がった分だけ上がらない、その場合は下離れの予兆です。 上の図ではもみ合いの最後で上がった分だけ下がらず、もみ合いの中心の基準線をサポート線の上へ放たれています。 これがもみ合い離れの予兆です。 もみ合いの最後は、もみ合いの中心(基準線・先行スパン2)を抵抗線にして上に放たれたり下に放たれたりするというのを覚えておきましょう。 最後に ここに出てきた形をチャート上で探すことから始めてみましょう。 そして、そこから本物を見つけ出してみてください。過去のチャートから拾っていく方が、リアルタイムのチャートから判断するより簡単なのは想像がつくと思います。 たくさんのチャートの形を実際に見ることで、ここだ!と思うポイントを見つけられればもうこっちのものです! 一目均衡表のすべての線は、支持線・抵抗線になります。 どういったときにそうなるのか、何度もチャートを書いてみて自分なりに理解していきましょう。 線が交わる順番、線と線の間隔も重要です。 いつも使っているローソク足が15分足なら、1時間、4時間、日足でも同じ分析をしてみてください。そうすると、大きなトレンドが見えてくると思います。 これを読んで一目均衡表に興味を持っていただいて、さらに自分で理解を深めていけるきっかけになればいいな、と思います。8. もみ合い相場の放れを表す水準相場の上昇・下降
【一目均衡表】均衡表の好転・逆転とは?
1. 均衡表の好転・逆転とは?
2. 一目均衡表基本図から均衡表の好転逆転を読み取る
3. 正しい均衡表の好転・逆転
【一目均衡表】 もみ合い相場での仕掛け方
1. もみ合い期の各線の動き
3. もみ合い相場の仕掛け方
【一目均衡表】均衡表の好転・逆転その本質
均衡表の好転・逆転の本質
2. 上昇トレンド・下降トレンド時の転換線と基準線の関係の本質
3. 基準線と転換線が同値になるのはどんな時?
【一目均衡表】先行スパン2を極めろ!
1. 計算式
2. 予測する?!
3. もみ合い相場
【一目均衡表】先行スパン1を極めろ!
1. 計算式
2. 計算式からわかること
3. 一目均衡表基本図で線の間隔を把握
4. 先行スパン1は何を表す線か?
【一目均衡表】雲を解析せよ!
1. 一般的な雲の役割
3. 価格はなぜ雲の中でもみ合うのか?
4.雲が抵抗線・支持線になる理由
5. 雲を抜けると一気にその方向に動きやすい理由
【一目均衡表】雲のねじれの秘密!
1. もみ合い時の一目均衡表
2. 雲の分厚さと抵抗の関係
3. 雲のねじれ
【一目均衡表】実は最も重要?!遅行スパン
1. 計算式
2. 遅行スパンの本質
3. 遅行スパンの好転・逆転
4. 遅行スパンの好転・逆転から見る買い時・売り時
5. 遅行スパンのまとめ
【一目均衡表】遅行スパンの徹底解説
1. 遅行スパンはモメンタム
2. 遅行スパンと移動平均線の関係
3. 遅行スパンは価格線の代用品?
4. 遅行スパンを使った予測の仕方
5. 一目均衡表縦軸の時間軸
6. 一日のデータから100日の動きがわかる?
【一目均衡表】5つの線を使った総合分析PRAT 1
1. トレンドの変化と一目均衡表の動き
2.売り時期から買い時期への10の段階
3. 準備構成について
【一目均衡表】5つの線を使った総合分析PRAT 2
1. 基準線でトレンド有り無しを判定
2. 遅行スパンでトレーダーの損益状況を見る
3. 相場の階段を見る
4. 先行スパン2で予測する