トラップリピートイフダンを略してトラリピ!
マネースクエア(M2J)が特許を持つ、サイクル注文タイプの自動売買ツールのことで、トラリピはこのツールの元祖です
今でこそ外為オンラインのiサイクル2取引などもありますが、少し前まではサイクル注文タイプの自動売買は、トラリピだけでした。
そんなトラリピしか無かった時代、猫も杓子もトラリピ、トラリピってハマる有様で、それはもう人気の程は計り知れないブームになっていました。
だからその名残でM2Jのマスコットは猫で・・・と言うのは定かではないですが(冗談です、トラリピさんすいません、そもそも猫じゃなくてトラ・・・)でも人気がありすぎたのは本当です。
人気もの過ぎて、その後続々と他のFX会社もサイクル注文の自動売買ツールを提供するようになりました。
「FXはあまりやらないけど、トラリピだけはやっている」なんて人も多く、ユーザー数が多いM2Jですが、トラリピを始める前にこの記事は必見です!
FXより敷居が低く感じるため気軽に始められるトラリピの、メリットデメリットを知っておきましょう!
トラリピってどんなトレード?わかりやすく教えて!
トラリピって聞いた風とても可愛らしくて親しみやすいネーミングですけど、実際公式サイトに書いてあることだけでは、ちょっとシステムが小難しくって分かりづらいですよね。
でも大丈夫です。この記事で初心者の方には分かりづらいトラリピについてわかりやすく解説していきますね。
トラリピを構成する3つのステップ
この3つのステップがトラリピを理解する上でとても重要です。
いまからひとつずつ解説していくので、しっかり理解していきましょう。
ステップ1:イフダン注文
イフダン注文とは新規注文を予約する際、予め決済値も一緒に予約に組み込む注文方法です。
例えば現在ドル円が115円だったとして、「114円まで下がったら買って、再度115円まで上がったら決済しよう。」と決めたとしましょう。
いつもの成り行き注文であれば、114円になるまで待って、また115円になるまで待つ、という作業になり、その間ずっとチャートを見ておかなければいけません。
それだと面倒だし、例え頑張って114円で購入しても、ずっとチャートに張り付く注文をやっていると、利食いポイントと決めた115円まで待てずに決済してしまう可能性もあります。
しかしイフダン注文であれば、注文から利食いまでの流れを事前に予約できます。
「114円で買って、115円で売る」
この動作をイフダン注文という機能を使い115円の時にセットしておけば、時が来れば注文が入り時が満ちれば決済してくれる優れ物!(このイフダン注文はどこのFX会社でも出来るので、本当に便利ですよ。)
この注文スタイルが、まず最初にお伝えしたいトラリピの基本スタイルとなります。
ここまでは大丈夫ですか?
ステップ2:がんがんイフダン注文を繰り返す!
トラリピは、イフダン注文を繰り返し行うリピート注文です。
例えばドル円が114円から115円の間で上下している相場の場合で見てみましょう。このように小幅に上下を繰り返す相場をレンジ相場といいます。
「114円で買って115円で利食い。」と「115円で売って114円で利食い。」単純な話、このレンジ相場の間はこの注文が延々に入れば、利益が量産できますよね?
なんとトラリピではこれができるんです!
これをリピートイフダン注文と言い、一見簡単そうで「自分でも手動でやれるんじゃないか?」と思ってしまいますが、ずっとチャートに張り付いていないといけないので、サラリーマンのような兼業トレーダーにはまず無理です。
それに専業トレーダーだって、ずっとチャートを監視するのは大変です。
なので、トラリピのような自動売買でやってくれるシステムが重宝されるというわけです。
ステップ3:トラリピは相場の至る所に罠を仕掛ける
実際の相場はわかりやすい間隔、かつ均等な値幅で何度も往復してくれるほど優しくはありません。
なのでトラリピでは、相場全体に罠、つまりリピートイフダン注文を張り巡らせます。
例えば今の相場が、大枠で見るとドル円が105円から115円のレンジ相場だった場合
見出し
- 105円で買って106円で売る
- 106円で買って107円で売る
- 107円で買って108円で売る
といった取引を115円になるまで繰り返すリピートイフダン注文で仕掛けます。
この注文例は利食いを1円幅に設定していますが、この値幅はあくまで参考で、実際にはもっと狭い間隔で利食い設定出来ますので、気にしないで下さいね。
このトレード手法がトラップリピートイフダン注文、略してトラリピの全てです!
罠を仕掛ける場所や利食い間隔は好きに変更できますので、かなり自由度の高い自動売買システムになります。
公式サイトによると罠を仕掛ける間隔は50pipsが良いとあります。pipsとは為替レートが動く時の最小単位で、1円(100銭)が100pipsです。50pipsは50銭なので小さく思えるかもしれませんが、実際は結構広いです。
私は50pipsに拘らず、こまめに利確、小さく利確の方をオススメします。
ハマれば凄い!トラリピの実力とは
FX相場の6~7割はレンジ相場と言われており、その中でレンジを上手く捉え、繰り返しイフダン注文を繰り返してくれるトラリピは、形にハマればめちゃくちゃ稼げます!
次のような相場を仮定して説明します。
120円から130円にまでドル円が上昇した場合
- 120円から125円でレンジになり、5往復繰り返した
- その後122円まで円高になったあと、125円を抜けて一気に126円まで上昇(ブレイクアウト)
- 126円から127円でレンジ相場が続き、1円幅で8往復した後、2度目のブレイクアウト
- 127円から130円までグングンと上昇
このような流れの場合、100pips×(5×5+4+1×8+3)=4000pipsの利益になります。
追い風になるような出来事がない限り、一方的な上げというのはなく、だいたいがこの例えのように、レンジが続いてブレイクアウトを繰り返します。
レンジというのは、デパートで例えるならフロアです。そしてブレイクアウトは階段もしくはエレベーターで、階段を抜けると次のフロアにはいります。
階段を抜けたら次の階を目指し、上への階段が封鎖されていたら下の階段を見にいく。下の階段も封鎖されていたら、フロアで遊んでまた階段を試しにいく。というふうにイメージするとわかりやすいかと思います。
だからレンジを捉えることが出来れば、底で買って天井で売ることが出来ます。
今回の例えでいうならば、普通に120円で買って130円で売った場合は1000pipsの利益ですが、トラリピが上手くハマれば往復した分の利益も得られるので利益が4倍になるわけです。
底で買って天井で売ることを意識することよりも、短い時間足でこまめに利食いをしたほうが何往復も取れるわけですから利益も増えるのは当然ですよね。
決して美味い話だけではない、トラリピのデメリット
ここまでの話だけだと完璧に思えるこのツールですが、もちろんデメリットもあるので飛びつくのはまだ早いです。
私は最初トラリピのシステムを知ったとき、「もし設定した範囲より円高が進んだらナンピンのようになるのでは?」と思いました。
ナンピンとは
保有しているポジションが損失を出してしまったときに更に買い足して平均コストを下げる手法のことす。
例えばドル円を100円で買ったあと、相場が98円まで下落したとします。損失を出さないためにはドル円が100円まで上昇しなければいけません。
しかし同じだけのドル円を98円で買えば、平均価格が99円になるので、相場が99円まで戻れば損失はプラスマイナスゼロになります。
ここまでの説明を読んだら私と同じように思った方も多くいらっしゃるのではないでしょうか?
その通りなんです。トラリピのシステムでは相場が逆に動けばナンピンになります。
次のような相場を仮定して説明します。
120円で購入したドル円が110円まで円高になった場合
- 120円でドル円購入(利益は110円-120円=マイナス10円)
- 119円でドル円購入(利益はマイナス9円)
- 118円でドル円購入(利益はマイナス8円)
- 117円でドル円購入(利益はマイナス7円)
これが111円まで続き、利益は合計マイナス55円分、つまり55円の損失になってしまうんです。レンジ相場に当てはめてみましょう。
仮にドル円が130円から120円まで下がる間、128円から127円の間で5往復、126円から124円の間で4往復、124円から120円の間で5往復していたと仮定します。
トラリピはこまめに利食い(利益の確定)をしてくれるので、利益に関しては1×5+2×4+4×5=33円分が利食いされています。
なので損失合計は55円-33円=22円分の含み損として保有中ということになります。
ナンピンと同じなので、損失と利益が存在し損失は半分以下に軽減されていますが、しかしトラリピは利益はこまめに確定するけど、損切りはしないシステムなので、損失はプラスになるまでずっと含み損としてホールドされることになります。
トラリピが損切りしない理由
「相場の世界では「買う」か「売る」の2つしかないと思っている方が多いように感じられますが、実はそこにもうひとつ「待つ」という要素を加えた3つがあるのだと認識することをおすすめします。」
これはトラリピを開発したマネースクエア(M2J)の相葉代表取締役社長の言葉です。
トラリピはレンジ相場に効果がある手法であることは説明した通りですが、その投資戦略は「レンジ相場において少ない通貨量でたくさんの買い注文を出し、それぞれが上がったら買う」、これに尽きます。
それは何故かと言うと、トラリピの本来の目的は「ハイリスク・ハイリターンを狙わない」長期投資で資産運用するためのツールとして存在しているからです。
少し小難い話になってきたので、初心に戻り簡単に説明しますが、つまりトレードスタイルの問題です。
短期で勝負するデイトレードと、長期で勝負するスイングトレード。
投資スタイルにはこのように二種類あるわけですが、デイトレードは短期で利益を出すため、日々の数pipsをいかにたくさんとるかが重要になってきます。
その為には不要なポジション・・・つまり利食いに失敗したポジションをもっていると、必要証拠金を食いつぶすため邪魔です。
だから不要なポジションはサッサと処分し、身軽な状態でポジションの売り買いを繰り返していくわけです。
でもデイトレードはもともと長期投資が目的なので、短期的な値変動をみて損切りしたりはしません。
ゆとり資金で元本を大きく持ち、その中でほんの少しの割合でポジションをもつ。
そしてあとは上がろうが下がろうがそのまま保有し、上がるのをただ待つのみ。
資金にゆとりがあるので、損切りする必要もありませんよね。
まさにトラリピは、この「待つ投資」を行うため、損切りという概念がなく、買ったポジションが利益が出るまで、ただ「待つ」ことだけを考えればいい、これがトラリピの基本戦略です。
トラリピについてのまとめ
なんとなくトラリピがシステムなのかわかって頂けましたか?ポイントをまとめると以下のようになります。
見出し
- 買う値と売る値の注文を設定でき、その値で売買を繰り返す自動売買
- ひとつだけでなく複数の注文を等間隔にまとめて設定できる
- レンジ相場に強いが暴落には弱い
- 設定範囲より円高が進んだらナンピンを繰り返す
- 完全に放置せず相場が動いたら手動での操作も必要
トラリピはうまく設定できれば大きな利益を出すことができます。ただ完璧ではないので損失をっ出す可能性も覚悟してから利用しましょう。
トラリピを利用する際の注意点をまとめると以下のようになります。
見出し
- トラリピは待つ投資と考えること
- ゆとり資金で小さくポジョンをもち、リスク管理に細心の注意を払うこと
- けしてデイトレード感覚でトレードしないこと
どんなトレード方法を選んでも、FXという投資の世界に身を乗り出した以上、メリットとデメリットの狭間で勝負していかなければなりません。しかしトラリピは長期目的で運用するならうってつけのシステムだと思います。
自動売買なので、常に取引画面の監視をせずとも良い訳ですし、サラリーマンや主婦が副職としてやれる!という点においても大変魅力的ですね!